【2778】 言えない  (通行人A 2008-10-18 01:05:25)


精霊物語


気象精霊記及び気象精霊ぷらくてぃかとのクロスです。


 【No:2637】→【No:2638】→【No:2640】→【No:2642】の続編です


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






第1章   ようこそ精霊界へ






最終話    入寮






祐巳「ミリィさんってフェイミンさんとお知り合いだったんだね。」


ミリィ「前に一度練習試合をしたことがあってね」


祐巳「そうなんですか。」


私たちは、王立学園に戻ると、
ミリィさんは自分の部屋に帰り、
私は、イツミ師範に呼ばれて師範の部屋を訪れていた。


祐巳「失礼します。」


イツミ「あら、かわいい服買ったのね。
    それでどうだった?
    精霊界を歩いてみて」


祐巳「楽しかったですよ
   そういえば、買い物のときですね〜・・・」


私はフェイミンさんとの事を話した。


祐巳「ってフェイミンさんが言ってたのですが
   そういうのってここで習えるのですか?」


イツミ「近衛精霊以外の精霊は大抵我流だけど、
    習うのだったら近衛学校で習うのが一般的かしら
    他の修行場にもいるわよ、
    気象精霊の修行しながら近衛学校に通っている子。
    まぁ、本当に強くなりたいならミリィに相談してみるといいわよ」


祐巳「ミリィさんにですか?」


イツミ「ええ、ミリィはあれで小隊長第1位の資格を持っているのよ
    それに実技と筆記をパスしていて、成人になったら
    中隊長の資格を得る資格を持っているのよ」


祐巳「小隊長とか中隊長って
   どのくらいすごいのかわからないのですが・・・」


イツミ「そうね、人間の世界でいうところの佐官クラスかしら
    有事になったら、ミリィの号令1つで300人の部隊が動くわ」


祐巳「さ、300人ですか・・・・」


私は300人の大柄な男性が7〜8歳ぐらいにしか見えないミリィに
付き従っている光景を想像して


祐巳「なんと言うか・・・かなりシュールですね・・・・」


というか、大の大人がそんな小さな子に従うのだろうか?
そう考えていると、顔に出ていたらしくイツミ師範が


イツミ「まぁ、普通は従わないでしょうけれど、
    あの子には実績があるから」


祐巳「実績・・・ですか、具体的にはどんな・・・」


イツミ「3ヶ月ぐらい前に緑樹殿って呼ばれてるお城に叛乱軍が
    妖精女王ティタニアと第2王女ミリガンが人質に立て篭もった時、
    それを鎮圧したのはほとんどミリィの活躍だし、
    性別・年齢制限なしの妖精界の武闘大会で
    錫杖1本で女子の最年少記録をたたきだしているしね」


もっとも今は軍籍を離れているからあまり関係ないのだけれどね
とイツミ師範は続けて言った。
どちらにしても私にはあまりピンと来ず、ただ漠然と凄いな〜と思った。


祐巳「ミリィさんだってすぐに強くなったわけではないですよね?
   そうすると何でミリィさんはそんな小さい頃から近衛修行していたんですか?
   それともこっちではよくあることなんですか?」


イツミ「よくはないわね、ミリィは元影姫だったのよ」


祐巳「まだ子供なのにですか?」


人間界年齢ではミリィさんは私と同じくらいの歳だけれども
精霊としてみれば保護されるべき子供だと思う
それがなんでそんな危険な目にあっているのか気になった。


イツミ「ごめんなさい
    その事は妖精界の最高機密になっているから私の口からは言えないの」


祐巳「わかりました」


私はそれ以上追及しなかった。


イツミ「話がそれたわね、
    武闘訓練の事は急ぐ様な事でもないし後でじっくり考えなさい
    そんな事よりも買い物のとき字は読めたかしら?」


祐巳「そういえば見たこともない文字なのに何故か読めました。」


そう言うとイツミ師範は紙に何かを書いて私に見せた。
そこには10個の単語が書かれていて


イツミ「これ、読めるかしら」


私が上から順に読んだ。


イツミ「どういうことかしら?」


祐巳「何がですか?」


イツミ「ここに書かれているのは全部違う言語なのよ
    これも精霊化の影響かしら?
    まぁいいわ、でもこれで図書館が利用できるわね
    寄宿舎に案内する前に図書館によって何冊か借りていきましょう。
    まずはこっちの常識を覚えなさい。
    精霊修行もいいけれど当分はこっちをメインにね」


祐巳「はい」


それから図書館に移動して分厚い本を3冊渡された。
寄宿舎は1人1部屋もらえ、
私の部屋はアンデス風の衣装に身を包んだチカカ・アヤルの隣となった。
その夜、私は精霊化の影響か、本の内容がスラスラ入っていき
一晩で3冊すべて読破した。






精霊のままなら英語の成績は完璧なのだろうななどと邪な考えをしたのはまた別のお話し







一つ戻る   一つ進む