「今日はお買い物に付き合っていただきありがとうございました。助かりましたわ」
「うん。別に暇だしね」
「お茶くらいご馳走させていただきますわ。どうでしょう、可南子さん」
「それでは、せっかくだしね」
「お待たせしました。ショートケーキとミルクティーのお客様とチーズケーキにコーヒーでございますね」
「それでは、いただきます。
……瞳子さん、お砂糖は入れないの?」
「ええ」
「へえ、意外だわ」
「そうですか。
…………ずず……………にがい」
「あら。無理することないわよ」
「……いえ。練習ですから。無理しているわけではないのです。
このくらいは早く飲めるようになりませんと」
「そうなの?」
「そうですわ」
「そう」
「………」
「…………」
「……………」
ぽちゃん。
「何をなさいますの、可南子さん」
「即席ウィンナーコーヒーー」
「……」
「あなたがいろいろ何を急いでるとか、聞かないけど。
なんか、少しはゆっくりでもいいと、思うわ。このくらいは」
「…」
「……」
「………ありがとうございます」
「あ、いや」