【2820】 覆水盆に返らず  (通行人A 2009-01-20 15:51:18)


宇宙人もみてる


ケロロのクロスです。
違う作品もクロスしています。
今後幾つか加入予定です。


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過去特別編
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企画SS
  【No:2598】


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28.   調査報告書






私、西園寺ゆかりにはお慕いしている人がおります。・・・いえ、おりました。
私は彼女をお慕いしていたにもかかわらず私は彼女を傷つけてしまいました。
それは周りは私が彼女と仲良くすると怒り、悪く言うと褒めてもらえましたので、
次第に私は彼女を悪く言うようになりました。
そして、その行為が彼女の心を深く傷つけていることに気付いた時にはもう手遅れでした。
彼女は私に偽りの笑顔しか向けてくれなくなり、
そして彼女は小笠原の家を出て行ってしまいました。
私は酷く後悔しました、
瞳子お姉さまのように周りを気にせず慕っていればふせげたかもしれないと・・・
同属はわかるというのでしょうか、
菊代さんと貴恵子さんも同じだという事を知り、
私たちは、表向き彼女を悪く言い、裏では彼女のいい噂を流すようになりました。
2年後、私たちは中等部に上がると彼女に再会しました。
私たちは彼女に謝罪しました。
彼女はため息を吐き、少し苦笑した後、
『許す』と言ってくれました。
そして彼女は、
私たちの立場もあるから自分のことを表向き悪く言っていいと言われました。



それから約2年後、彼女に『乃梨子』という妹が出来た事を知りました。
もっとも、リリアンのスール制度による姉妹ですが・・・



夏休みに入り別荘に行って2日目の事でした。
大嫌いな兄の顔に赤い紅葉が出来ていました。
聞くと乃梨子さまをナンパした時、
祐巳お姉さまの事を悪く言って引っ叩かれたらしい、
良くやったと口に出さずに絶賛しつつも、
同時に小物のくせに執念深い兄の怒りを買った彼女に同情した。
私は、菊代と貴恵子を連れて小笠原家の別荘に向かった。
やはり、私が言えたぎりではないが彼女を任せられるか自分の目で確かめたかった。
幸い、私たちが彼女に謝罪し仲直りした事を祥子お姉さまは知らない。
結果は予想以上に良かった。
乃梨子さまは自分が悪く言われたことよりも祐巳お姉さまが悪く言われたことを怒った。
もう少し落ち着きを持ったほうがいいと思ったが、
乃梨子さまになら祐巳お姉さまを任せていいと思った。
兄はパーティで嫌がらせをしようと彼女たちに招待状を送った。
結果は兄の思惑を外れてとても良い演奏だった。
それ以来周りの祐巳お姉さまを見る目が変わった。



最近では、祐巳お姉さまを小笠原に連れ戻すべきだという人や、
西園寺との婚約は解消されたのだから、
うちに入れようとまでいう人も出てきている。
自分たちが追い出したくせに勝手なものだ。



そして、兄も祐巳お姉さまに興味を持ったようだ。
今も、西園寺の情報網を使って調べた報告書を読んでいる。
そして、報告書を読み終わったのか、
無造作に報告書を放ってデートに出かけた。
兄の女癖の悪さは未だに治っていないようだ。
私は、放りっぱなしの報告書を拾い読んだ。





『報告書』



福沢(旧姓小笠原)祐巳  17歳

現小笠原家当主小笠原総一郎の嫡男小笠原融の娘
IQ180、運動能力も極めて良し

家族構成は以下の通り
父 祐一郎
母 みき
弟 祐麒
妹 祐良
妹 祐衣

小笠原家歴代指折りの才媛
しかし正妻の娘でない為、周囲の反発も強く、小学校卒業と同時に家を出る。
今現在は小笠原融の妻清子の後輩の福沢(旧姓祝部)みきの元に養子入りをし、
福沢祐巳と名乗っている。
今現在リリアン女学園の2年生にして通称白薔薇様という生徒会長を務めている
最近は自宅に地球外生命体を匿い怪しげな研究をするのに凝っているもよう。





最後のは見なかったことにした。
最後のを除けばすでに知っていることばかりだった。
それでも何故だか嫌な予感がした。
だから私は滅多に祈らない神に・・・マリア様に祈りを捧げた。
マリア様・・・祐巳さまに今まで大変だった分幸せな人生を過ごさせてあげてください。
それだけが私の・・・私たちの望みです。


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