【3244】 でっかい可笑しいです  (福沢家の人々 2010-08-10 18:43:23)


「ねこ耳祐巳の冒険(仮)」




第3話「祐巳登校す。」




 前回までのあらすじ?

『ねこ耳姉妹子猫の足裏』なる秘密結社が怪しげな集会を・・・。

そして、早朝の福沢家の風景・・・。大丈夫かこの家族。










「ごきげんにゃう」

「ごきげんにゃう」

 さわやかにゃ挨拶が、澄みきった青空にこだまするにゃ。

 マリア様のお庭に集うねこ耳少女たちが、今日も子猫のようにゃ愛らしい笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていくにゃ。

 汚れを知らにゃい心身を包むのは、ねこのしっぽが可愛く揺れる制服にゃ。

 スカートをしっぽで持ち上げて乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせにゃいように、ゆっくりと2足歩行で歩くのがここでのたしにゃみにゃ。

 もちろん、遅刻ギリギリだからと4本足で走り去るにゃどといった、はしたにゃい生徒にゃど存在していようはずもにゃいにゃ。




 そして、




 バスに乗って学校へ向かう、当然、バス停、駅、バス車中でも注目の的。

 まあ、注目されるのは、つぼみになってからあるていど、なれたけどさすがに今日は、視線が痛い。

 祐麒と別れ、背の高い門をくぐり抜けて、銀杏並木を抜けて、マリア像の前、




 登校の早い生徒たちと朝の挨拶

「「ご、ごきげん?よう?紅薔薇のつぼみ?」」

 祐巳は首をちょこんと傾けて

「ごきげにゃう」

「「う」」鼻を押さえて駆け出す生徒

「「ごきげん?よう?祐巳さま・さん?」」

 首をちょこんと傾けて

「ごきげにゃう」

「「ぐは」」天を仰ぎ首の後ろをとんとんしながら校舎に向かう生徒

 いろんのパターンの挨拶を交わし、いったん教室に荷物お起きに




 教室で会ったクラスメイトには後で説明する旨を伝えて、

「今日は、みんな鼻声ね〜風邪が流行っているのかしら?」

 などと、寝ぼけたことを言いながら、マリア像の前に急ぐ

 ・・・待つこと3分・・・




 お姉(祥子)さまと瞳子ちゃん(瞳子はまだ、姉妹になっていない)が・・・

「ごき・・・。」

 で、固まって、お姉(祥子)さまは、ふ〜と、ため息を吐いてから。

「「祐巳・さま、なんなの・ですの」」なぜ2人とも鼻声?

「ごきげにゃう・・・にゃ〜と、薔薇の館でお話しますにゃ」




 怒られる前にお姉さまと瞳子ちゃんの手を取って薔薇の館に向かって歩きだす。

 なぜか?瞳子ちゃんは天を仰ぎ首の後ろをとんとんしながら素直に付いて来る。

 お姉さまはハンカチで鼻と口を押さえているが、今は薔薇の館に急ぐのでスルーの方向で・・・。




 薔薇の館には、令さま、由乃さん、志摩子さん、乃梨子ちゃんが居たのだが・・・。

 いっせいに祐巳から、視線を外し天井を仰ぎ首の後ろをとんとん

 なぜか、鼻にティシュをあてた乃梨子ちゃんが代表するように・・・。

「ふご、ごきげん・・・よう、ここに来れば事情・・・が判るかなって思い・ま・し・て・・・。」

「「ごきげよう・にゃう」」




 いつもの席順に座り祐巳が今朝からの出来事を説明する。

「かくかくしかじかうしうしうまうまってことですにゃ」




 お姉さまが頬に手を当てながら。

「つまり、朝起きたらねこ耳とねこのしっぽが生えていた、って事ね。」




 いつの間にか、祐巳のねこ耳とねこのしっぽを嬉々としてもてあそんだ由乃さんが

「どうも、作り物では無いようです・・・っで、これ!持ち帰(ゴン、ドサ)・・・」




 なぜか、可南子ちゃんが・・・なにか今、鈍い音が・・・と、とりあえず足元を見るのが怖いので、スルーの方向で・・・。

 ひょいっと祐巳を抱いて膝の上に乗せ、祐巳が今まで座っていた席に・・・。

 がばっと、瞳子ちゃんが立ち上がり可南子を睨んで。

「な・・・。か、可南子さん、なんで、あなたがここに・・・。」




 可南子ちゃんは、祐巳をふんがふんがぱふぱふぱやぱやしながら。

「あら?私がここに居てはいけない理由でも?」

「あなた、山百合会のメンバーじゃないでしょ?」

「それなら、瞳子さんにも言える事ではなくて?」

「・・・・・・。」




 睨み合いが続くなかコッホンと、祥子さまが

「今は、そんなこと言っている場合ではないのではなくって」っと

「祐巳、」

「はい、お姉にゃま」




 ふ〜とため息をひとつ

「祐巳、そのにゃ〜 は、デフォルトなのね?」

「にゃ〜(はい)」




 お姉さまはハンカチで鼻と口を押さえながら

「と、とりあえず、祐巳は、ここへ」

 と、お姉さまは自分の膝の上を右手でとんとんと叩いて・・・。




 可南子ちゃんの腕に力が入る。

 お姉さまが。可南子ちゃんを見て

「可南子ちゃん・・・。」




 令さまがお姉さまを嗜める様に

「祥子、そう言う場合じゃないでしょう。」

「そ、そうね・・・。」




 可南子ちゃんを一度睨んっだが、可南子ちゃんは涼しい顔ですましている。

「登校してきたと言う事は自分の現状を受け入れた、って事でいいのかしら?祐巳」

「にゃ〜(はい)お姉にゃま」




 祐巳がにゃっと言うたびに皆の顔が緩む

 鼻を押さえたり首の後ろをとんとんしたり・・・いったいなんなのにゃ?

「つづきは、お昼ね、そろそろHRが始まるわ、教室に行きしょう祐巳」

「可南子ちゃんもそろそろ祐巳をお放しなさい」




 可南子ちゃんは涼しい顔で

「祐巳さまは、私が教室までおつれします」

「なんですって!」




 令さまが苦笑しながら

「まあまあ!喧嘩しないのそこ、まあ、間を取ってわたし(ゴン・ドタ)が・・・。」




 由乃さんから黒いオーラが見えたような・・・それに最後の「が」が足元から聞こえた気が・・・まあ、気にしない気にしない

 祐巳は、可南子ちゃん腕から逃れ、膝の上からちょこんと降りた。

「にゃ〜(え〜)と、教室に行く前に、職員室に行かにゃいと行けにゃいので」

「ごきげんにゃう」

 っと執務室から、ダッシュ・・・。











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