【3250】 突然祐巳が  (福沢家の人々 2010-08-12 11:07:41)


「ねこ耳祐巳の冒険(仮)」




 第5話「祐巳、拉致される」




 前回までのあらすじ?

 リリアン女学園高等部なんやかんやそんなこんなで大混乱?

 リリアンの淑女達は、いずこへ向かうのか?

 そして、前日の放課後体育館でなぞの集団が集会を開いていた・・・。(第1話参照)







「ごきげんにゃう」

「ごきげんにゃう」

 さわやかにゃ挨拶が、澄みきった青空にこだまするにゃ。

 マリア様のお庭に集うねこ耳少女たちが、今日も子猫のようにゃ愛らしい笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていくにゃ。

 汚れを知らにゃい心身を包むのは、ねこのしっぽが可愛く揺れる制服にゃ。

 スカートをしっぽで持ち上げて乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせにゃいように、ゆっくりと2足歩行で歩くのがここでのたしにゃみにゃ。

 もちろん、遅刻ギリギリだからと4本足で走り去るにゃどといった、はしたにゃい生徒にゃど存在していようはずもにゃいにゃ。










 そして、










 放課後、いつものように執務を終え帰路に発つ面々

 山百合会+瞳子、可南子の八人が正門に向かって歩いていると・・・。乃梨子が異変に気づく

「な、なにあれ?」




 顔を隠すように、ねこメイク全身タイツにねこ耳にしっぽを着けた少女達に囲まれた・・・。

 手には警棒のような物を持ち、じりじりと間合いを詰めて来る少女達

 令、瞳子、可南子が臨戦態勢に入る中、祥子が山百合会+αの前に毅然と一歩出て

「あなたたち、なにか用かしら」




 リーダー格と見られる少女が

「我ら、うにゃ〜君実行部隊、福沢祐巳さまをお迎えに上がりました。おとなしくお渡しください。」




 祥子が、うにゃ〜君実行部隊なる少女達を見渡しながら

「なにを、馬鹿なことを言っているのかしら」

「ふ・・・、交渉決裂かしら?ならば、実力行使在るのみです・・・。かかれ!」




 いっせいに襲い掛る、うにゃ〜君実行部隊




 祥子に襲い掛る少女

「祥子さん、忘れられしこの想い受けなさい」




 祥子に襲い掛た少女はいきなり、ハンカチを出し祥子に投げつけた・・・。ハンカチは開き手裏剣のように

「白いハンカチ〜」




 祥子は華麗な身のこなしでかわすが、ハンカチは執拗に祥子を狙って飛んでくる




 令の前に竹刀を持った一際小柄な少女

「令さま、ご覚悟を、あ〜ど〜べんちゃ〜」

「あ?アドベンチャー?」




 なんだか、訳の判らない言葉を発しながら喜々として楽しそうに襲い掛かる少女、令は持っていたカバンをたくみに使い竹刀をかわす

「多少は、剣道の心得があるみたいね・・・、でも、まだまだ!」

(ちなみに、島津由乃と有馬菜々は、まだこの時点では知り合っていない・・・あ!)




 由乃に竹刀を持ってこれまた、訳の判らない言葉を発しながら襲い掛かる少女

「さん、3回も名前まちがられたんだからね〜」

「・・・?3回ってなに?」




 固まる由乃、なんちゃって剣士は、ほんとになんちゃってだった。




 すかさず、助けに入る令

「な、なんでよ〜いつも由乃さんばっかり〜」




 襲い掛かる少女の攻撃をまるで日本舞踊を踊るかの様にかわす志摩子、どこから出したのか鉄扇で一撃で倒す

(ちなみに、鉄扇にあっぱれ、っと書いてあったのはご愛嬌)




 瞳子に向かって来た少女、なぜか?ハチマキ

「え〜い、かしら・・・」

「ふ、甘いですわ」




 瞳子は、少女の腕を取り・・・、投げた・・・。

「松平流護身術・・・ぶん投げる」

 ネーミングセンスはともかく投げた、少女は宙を舞った三回転きりもみ状態から地面へ・・・?華麗に乃梨子の前に・・・。




 乃梨子と対峙する少女+突然、宙から舞い降りた少女・・・いきなりバレリーナのようにくるくるその場で回りだす。

「「かしら、かしら、乃梨子さんかしら」」




 乃梨子は、ツープラトン攻撃に、がくんと、地面に膝をつく

「ぐは、体に力が入らない・・・何と言う脱力感」




 少女達の攻撃が続く

「「かしら、かしら、全身タイツかしら」」




 瞳子は、乃梨子と叫びながら乃梨子と二人の少女の間に入り対峙する・・・が!瞳子もその場で回りだすくるくると

「瞳子、あんたね〜」

「ち、ちがうの体が勝手に〜」

「「かしら、かしら、精神波攻撃かしら」」

「「かしら、かしら、脱力系かしら」」




 可南子に向かってくる少女・・・顔面にストレートパンチが決まった・・・ぐらつく少女・・・すかさず、可南子は右くるぶしにトーキック・・・が

「ふん!祐巳さんは頂いていくは」




 少女が祐巳を小脇に抱え脱兎のごとく駆け出した

「しまった!まて〜」




 少女は右くるぶしを腫らしながら、なおかつ祐巳を小脇に抱え走るはしる

「まて〜なぜ?追いつけない?」




 祥子がそれに気づく・・・対峙する少女が投げつけるハンカチ手裏剣を掴み

「小笠原流護身術、引き千切る」




 これまた、ネーミングセンスがまんまなのだが気にしてはいけない・・・見事にハンカチ手裏剣は、引き千切られた・・・びりびりっと




 今度は、カード型手裏剣を投げつける

「赤いカード、受けて見なさい」




 祥子がそれをかわす、少女は祐巳の奪取を見届けると・・・ポケットから褐色の塊を出して地面に向かって投げつける・・・ボン

「くらへ、チョコレートボム」




 白い煙とチョコレート臭があたりの漂う・・・今まで対峙していた、少女達がまさに煙のように消えた・・・。




「「「「祐巳・さま・さん・ちゃんは?」」」」

「可南子さんが・・・。」




 可南子が銀杏並木のはずれで一人たたずむ姿が・・・。

「「「可南子ちゃん・さんが追いつけないなんて。」」」










 薔薇の館執務室。




 瞳子が可南子の肩に手を置き

「こう言う時はあなたの能力は使えないですわね・・・ステルスなんて」

「く!」

(可南子は自身のステルス能力を駆使して祐巳の ピー したり ピー した経験がある、今は、たまにし・げふんげふん)




 うつむく可南子・・・。祥子が

「瞳子ちゃん、今は、仲間割れしている場合ではなくってよ」




 あの?っと手を上げる志摩子・・・一同が志摩子を見る

「犯人・・・。何人か心当たりがあるような気がしませんか?」




 瞳子と乃梨子が

「あ!あの脱力感はなんとなく・・・証拠はないですが」

「あと、戦闘中にもかかわらず華麗なステップでシャッターを切っていたカメラの人」

「メモとペンで何かを書きながら私たちの攻撃をかわしていた人とかね。」

「くるぶしを腫らしながら、なおかつ祐巳さまを小脇に抱え走れる生徒なんて、がちゃがちゃ・・・いえ!リリアン広しといえどもそうはいないですわ」




 令と由乃は

「私たちはないわね〜なんだか?訳の判らない事言ってたけど、心当たりはないわ」

「うん!アドベンチャーっとか?」(しつこい様だが、令、由乃と菜々は、まだこの時点では知り合っていない・・・お!)

「3回も名前まちがられたってなに?」




 祥子も

「私も無いは、白いハンカチ?赤いカード?チョコレート?・・・。やっぱり無いわ」おいおい!




 乃梨子がなにか思い出したように

「あ!リーダー格の人が、たしか?そう!1年の時までは、親友とか?勇者だったとか」




 祥子は顎に手を当てながら

「いいは、とりあえず、心当たりのあるところから当たりましょう」










 とある、部室。

 リーダー格の少女がテニスラケットを杖のようにして立ち

「ふ〜!ご苦労様、みんな無事?」

「はい!みんな多少傷を負っていますが、大丈夫です」

「うん、いい写真が撮れました、うふふふ」

「臨場感あふれる記事が書けそうです」

「ちょと、そこの報道コンげふんげふん」

「それでは、私現像がありますので、この辺で」

「私も構成とかもろもろ・・・では、失礼」




 報道コンげふんげふんが喜々として部室を出て行く




 祐巳は、っと言うと目の前に置かれたケーキやまんま肉まんに紅茶にと・・・。餌付け?されていた

「にゃの?私もそろそろ帰っていいですかにゃ?・・・にゃ〜と!たしか・・・桂?さん」・・・おまえもか!酷い、




 桂?は、(おい!)祐巳の首に手作り間あふれるネックレスを掛ける

「じゃあ!これを」




 祐巳は掛けられたネックレスをまじまじと見た・・・

「ふにゃ〜ごろごろにゃ」




 マタタビネックレスでふぬけてその場にごろにゃんっと寝転んでしまう・・・少女達が長イスに祐巳を寝かし勝利の雄叫びを上げた。

「福沢祐巳は、我が手中にあり!うにゃ〜」

「「「「「うにゃ〜、うにゃ〜、うにゃ〜」」」」」











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