【3276】 魔法にかかって超鬼畜なお姉さま!高くついた代償  (星灯 2010-09-03 16:51:22)


前回【No:3272】のあらすじーっ!

この物語の主役は、学園一の淑女として名高い紅薔薇こと水野蓉子さま。
朝起きてみるとなんと! ネコミミとしっぽが生えていました。

犯人はもちろん、白薔薇さまとうちのデ…… 黄薔薇さま。
紅薔薇さまを弄り回しては怒られているこの二人。まったく仲が良いんだか悪いんだか。

兎も角、ネコミミが生えてしまった紅薔薇さまの運命やいかに!?

……そんな事よりも! どうして紅薔薇さまがあたしの、そう、あたしの祐巳さんといちゃいちゃしているのかしら?
紅薔薇さまには祥子さまという、ちょっとアレだけど素敵な妹が居らっしゃるのだから、祐巳さんに手を出さないで欲しいわ。

祐巳さんも祐巳さんよ。あたしという者がありながら他の女といちゃつくだなんて!
大体、祐巳さんは自分の可愛さに気づいていないだもん。だから言い寄られたりなんかするのよ! あたしの気持ちをこんなにも弄んで!!

まぁでも、そんなところもキュートなのよね♪

……ってナニよ令ちゃん。 えっ、話がずれてるって?

あーそうね、うん。

そんなわけで、ネコミミも悪くないなと思い始めた紅薔薇さま。だけどめでたしめでたしで終わるはずもなく、お話は続くのでした……

あれれ? あたし達の出番これだけ?
今回、あたしと祐巳さんの愛と欲望満載の痛快時代劇アクションラブストーリーの筈……?


どういうこと!? ねぇ、令ちゃーんっ!!!






『魔法にかかって超鬼畜なお姉さま! 高くついた代償?』






ごきげんよう、水野蓉子です。言葉の節々が自動的に猫語変換される様ににゃりました。

えぇい、鬱陶しいにゃあ!

というか、にゃんですかねコレ? ネコミミの話は昨日で終わったんじゃにゃいの!
綺麗に話が纏まったのに、にゃぜに引っ張る!? どうせなら私と祐巳ちゃんのLove Storyの方を引っ張れば良いじゃにゃい!!

……さて、一通り言う事は言ったし落ち着きましょう、私。

ふむ、にゃんだかんだ言って、このネコミミは本物だったりする訳で。さらに猫語が追加と。
祐巳ちゃん辺りが言えば可愛いんだろうけど、私が猫語を話してもねぇ…… どうよ?

このままだと猫ににゃるのかな……? 進化と言うべきか、それとも人間が持つ可能性が爆発したと考えるべきにゃのか……
あぁいやだいやだ! なにがいやだって、こんな非常識に慣れてしまった自分が一番いやだにゃあ!!

もういいや。とりあえずエロとデコ殴ろう。その後ゆっくりと治し方を聞けば良い。
にゃーはははっ! 二人とも首を洗って待っているが良い! にゃーはははっ! にゃーはははっ!

……ほんとに鬱陶しいわ、コレ。





この格好も二日目だし、流石に人の視線にも慣れてきたのにゃけれど…… にゃけれど……

にゃぜにネコミミ生やした生徒がこんなに! ネコミミハザード!?

マリアさまの像近くをうろうろする、大勢のネコミミ・ネコミミ・ネコミミ乙女達。
私のそれなりに長いリリアン生活の中でもトップクラスのシュールさなんだにゃあ。悪夢を見ている様にゃあ。

考えたくないが、これも聖と江利子の仕業かにゃ?
いやいや、流石にあの二人でも一般生徒に手を出さにゃいだけの常識を持っている筈。

でもにゃあ…… あの二人だしにゃあ……

兎に角、まずはネコミミ生やした生徒とそれ以外の生徒を見比べて、違いを探すとしますかにゃ。

栄子さんにネコミミが生えてる。鮎美さんにネコミミが生えてる。イカ娘さんにもネコミミが生えて…… またイカだわ!
そんなことよりも、ネコミミを生やしている生徒の大半が私のクラスメイトだ!? うぁお!?

主に生やしてるのが三年生、大部分がクラスメイトで構成されているという、にゃんとも残念な結果になりました。
下級生で生えてる者は上級生と比べて殆ど居らず、一年生と思しき生徒に至っては数人しか居にゃい。

感染か? 感染するのか、コレ!?

このネコミミは触ると感染するらしい。そうとしか考えられにゃい。
つまり私は、ネコミミ病原菌を持ったネコミミ感染源だという訳にゃのですね。

えっ、にゃにそれこわい。

空気感染でない事が唯一の救いにゃ。接触感染だったのなら、半分くらいは自業自得にゃよねと思えるし。

まぁ、エロとデコに問い詰めれば分かる話か。

……って、あれは祥子じゃにゃいかしら?
ふむ、この状況が良く判らなくて困っているみたいだわ。



☆★☆



ごきげんよう、小笠原祥子です。祐巳分が不足しています。

祐巳ーーーっ! 祐巳はどこーーーっ!! ゆーーーみーーーっ!!!

……あらいやだ、私とした事がはしたない。
昨日丸一日、祐巳に会っていないものだからつい精神が不安定に。

あぁ、祐巳のタイを治したい。祐巳の柔らかな髪を撫でたい。そして怒られて泣いている祐巳の顔が見たい。

いつもの様にそんな事を考えながら私は校門をくぐる。
するとざわざわと騒がしい音が。マリアさまの像、その周辺に居る生徒達が騒音の元の様だ。

お祈りかしら? いや、それにしては人数が多すぎるわね…… って、ネコミミ!?

ふと辺りを見回してみると、あちらこちらにネコミミを生やした生徒が。
……今日はなにか特別な日だったかしら。いや、今日は平日の筈だ。イベントが有るとも聞いていない。

ただ、良く見るとみんな困っているみたい。あたふたしてる。

原因が分からないらしく、その為、マリアさまのご加護を求めているようね。
どうせ、白薔薇さまか黄薔薇さまが原因だと思うけども。

リリアンで起こるTo LOVEるの九割が、あのお二人が原因で起こっているのだから!

「流石祥子、そのとーりにゃ!」

その声はお姉さまっ! ……にゃあ?





「聖と江利子のおかげで、こんな騒ぎになってしまったと言う訳にゃのよ」

ネコミミとしっぽを生やしたお姉さまがなにか言っているが、あまり興味が無い。
今はただ、お姉さまの可愛らしいお姿に目と心が奪われるばかりだ。

「ねぇ祥子、私の話を聞いているのかにゃあ?」

語尾に【にゃあ】まで付けて…… あざとい! だがそれが良い!!

「あざといて……」

十分あざといですわ、お姉さま。
まったく、なんて格好しているんです! そんな格好されたら私、どうにかなっちゃうじゃありませんか!!

「いやいや、好きでこんな格好をしているんじゃにゃいのよ」

しかし、恥らう様子が無いのはマイナスポイントだわ。
普段は凛としているお姉さまが、可愛い格好をして恥らうところが萌えポイントなのに。

「にゃんとかして、コレ外したいのだけど……」

えーそのままで良いじゃないですか。とても可愛らしいですし。

「これ結構不便にゃのよ。だからにゃんとかするのを手伝ってくれないかしら」

嫌です。

「……姉の命令でも?」

もちろんですわ、お姉さま。
紅薔薇の名に懸けて、不当な命令を受けるつもりは一切ありません。

「仕方にゃい。どうやら最後の手段を使うしかにゃさそうね。えーと何処に…… お、有った有った」

……?

「うふふ、祥子」

ネコミミをピンと立てながら微笑むお姉さま。不味い。この微笑みは、なにか悪巧みを思いついた時に浮かべるアレだ。

「この写真を祐巳ちゃんにばらされたくなかったら、大人しく私の言う事を聞きにゃさい!」

そ、それはまさか!?

「そう、貴方がカメラちゃんに頼んで撮らせた、祐巳ちゃんの盗撮写真集(制服編・私服編・体育編)よ!」

ぎゃー!? それを何処で!?

「あにゃたには二つの選択肢があります。祐巳ちゃんに写真集を見られるか、聖と江利子を問い詰める手伝いをするかのどっちかです」

くっ……

「可哀想な祐巳ちゃん、きっと悲しむでしょうね。もしかしらロザリオ返されちゃうかも」

卑怯です、お姉さま!

「うふふ、さぁどうするのかしら? 私はどっちでも構わにゃいわよ?」

ぐぬぬぬぬ…… どうする! どうするの、私!!

...To be Continued


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