もう、誰かが何かやってるとしか思えない、このキー配列。
入れた人、怒らないから正直に名乗り出なさい(←ママが怒るフラグです)
そして、深みにはまっていく私がいる……最低だね、私。
【総統閣下シリーズより】
薔薇の館。
瞳子が祐巳さまに報告する。
「くま一号さんの新作【No:3342】が上がりました。弥生さんの【No:3338】、bqexの【No:3340】に続いているSSです。まだ当時の山百合会メンバーしか出てません。誰も『ナース服姿の蔦子』キーに出会ってないようです。ちなみにうp主が入れたキーではありません」
「まあ、ハロウィンがすめばこの流れも変わるわよ」
祐巳さまの答えに瞳子は困惑する。
「お姉さま、あの……」
見かねた乃梨子が横からフォローするように口をはさんだ。
「くま一号さんのSSでメンバーの胸囲的格差社会が問題となっているようです。また、コスプレの内容がバニー以外下コメでも不評です」
プルプル、と体を震わせ祐巳さまが言った。
「二期のブゥトンだって悲観することないよ。と思える人以外退室して」
瞳子、乃梨子のみ残る。
次の瞬間、祐巳さまがテーブルを叩き激高した。
「胸の件は触れるなっ! 私がどういう気持ちで紅薔薇にいると思ってるわけ!? お姉さまは原作で明らかになってる通りの大きさだし、蓉子さまは見ての通りたわわだし、瞳子だって挿絵の先生が補正してるのに!」
部屋の外で菜々が涙ぐむ。
「胸ってものは大きければいいってもんじゃない! 触ったことないくせに脳内妄想だけで小さいって決めつけてかかないでよっ!! そんなSS大っきらいだ!!」
「あまりの屈辱です」
乃梨子が相槌を打つ。
「おっぱい至上主義者なんか大っきらいだ! バーカ!!」
興奮する祐巳さまに乃梨子が更にいう。
「私だって、『これからに期待してるよ』と言われるって事は今がどれほどアレかという――」
「bqexも私が一番じゃないって知っててここに登場させてるんだからっ! そして、うすら笑い浮かべてるんだから、ちきしょーめー!!」
ペンを投げつけて激高する祐巳さまに瞳子と乃梨子は口をつぐんだ。
「白薔薇なんて上二人がビッグなせいで成長途中の乃梨子ちゃんがとやかく言われるけど、4期テレビアニメのエンディングを見たら将来有望そうなもの凄い色気があるじゃないのよっ!! 事後っぽい二人だったのに全然話題にならなった黄薔薇とは格が違いすぎるのよっ!!」
扉の向こうでは引き続き菜々が泣いている。
「アンダーとトップの差がバストサイズだから令さまだってそんなにふくよかとは思えないのに、向こうはよくてこっちはB以下の扱いってそんなに足らんかったか〜私のバストは。肩パットで追いつくサイズなのに、いっそ見せたろうかっ!!」
青筋を立てて力説する祐巳さまにもう、どこから突っ込むべきなのかわからなくなってきた瞳子。
「でも、いいんだ。おばちゃんになったら大きい人は絶対垂れてくるもん。手入れしてなきゃ絶対今のうちだけだよおっぱいぷる〜んぷる〜んは」
やけくそになってジェスチャーまで繰り出す祐巳さまに立ち尽くす乃梨子。
「コスプレなんて結局美人なら何着たっておkじゃないの〜。『ただし美人に限る』を地でいくわ。全員でバニーになったら余計格差が目立つっ!」
がっくりと椅子に座る祐巳さま。
部屋の外で泣き続ける菜々のところに由乃さまが駆け寄って囁いた。
「大丈夫、いざって時は消してなかったことにしちゃうから」
椅子に座り、少し落ち着いた祐巳さまが瞳子と乃梨子に言った。
「SSなんて、文章の巧みさや展開の面白さが受けると思ってたのに……ここまでビジュアル的な内容が話題になるとは……もう、予想外の展開になるわ、欲しいキーは出ないわ……がちゃがちゃの魔神の気まぐれに翻弄されて……相当カッカしてるよ」
「……最後、ダジャレ落ちですか」
「もう、ヤダ……」
落ちなかったことにその場にいた全員が泣いた!