【3536】 私ならここにいる二人なら  (イチ 2011-08-17 22:19:23)


興味を持っていただきありがとうございます。
注意点として書きます。
一部、自分で設定を作りました。ご容赦下さい。
今回、シリアス展開(にしているつもり)です。

【No:3532】【No:3533】【No:3535】【これ】

〜続き〜

私は今、と〜っても困惑している。
ついさっき、私は、薔薇の館に向かっている途中でお姉さまのお姉さまのお姉さまに遭遇した。
つまり、曾おばあちゃん。
付いて来なさいと言われ、付いて行ったら大学校舎のカフェテラス。
腑に落ちない部分はあったけれども、体育会系の私に申し出を断る選択肢なんて無かった。
その上、由乃ちゃんには言ってあると言われたら尚更だった。
そして、カフェテラスで雑談する事多分10分。
その後、無言。
そして現在、相手はチラっと時計を見た。
おそらく、此処に来てから20分ぐらい経ったところだろうか。

「何かお約束でもお有りですか?」
「よく気付いたわね。まあ、そんなとこよ」
「では、もうお帰りですか?」
「約束はしたけれど、約束の場所は此処だから問題ないのよ」
「では、私はお暇します」
「いいのよ、あなたは居ても。それに、約束の時間まではまだあるから」
「‥分かりました」
「さて、本題」
「本題?」
「あなた、由乃ちゃんのスールに相応しくないわ」
「えっと‥すいません。よく聞こえなかったので、もう一度お願いします」
「あら、そう?。じゃあ、もう一度。あなた、「すいません。やっぱり聞こえてました」
「そう。それは良かったわ」

困惑が混乱に変わったが、冷静に分析してみることにした。
例えば、私はいつのまにか試されていてスールとして不適格者の烙印を押されたとか。
だとしたら、薔薇の館は凄いところだ。
‥いや、無いか。

「ねぇ、理由とか聞きたくないのかしら?」
「‥そうですね。聞きたいです」
「あなたは、由乃ちゃんに甘えっきりだわ。だからよ」
「私が‥お姉さまに甘えてる?」
「あら、心当たりないのね。私はね、令、由乃ちゃんが好きよ。
それに、令を挟んでの由乃ちゃんとやりあったときは面白かったわ。私は、由乃ちゃんが不憫で見てられないの。
聞いてるわよ?。いつも由乃ちゃんをからかっていると」
「そ、それは、私達姉妹独自のコミュニケーションってヤツです」
「そう。じゃあ、それは良いとして、今回の件もそうだと言えるのかしら」
「今回の件?」
「これよ」

リリアンかわら板が机の上に置かれた。

「えっ、何で‥」
「あなたは、絶対に発行されないよう計画を立てた上で、由乃ちゃんに黙って差し替えたつもりなんでしょうけど、
残念ながら発行されちゃったのよ」
「確かに反省点はありますが、差し替えたのはタイトルだけです。それに、ご存知ではないかもしれませんが、他のウソ部分は、中等部生徒の青田刈りを防ぐためのものです。薔薇の館公認ですので、再発行の必要性まではないと思います」
「問題はそこじゃないわ。あなたは、由乃ちゃんの気を引きたいがために、いつもからかっていた。
でも、今回決定的に違うのは由乃ちゃん以外の人を巻き込んだっていう事。
由乃ちゃんは何があってもあなたを許してくれるわ。でもね、間違いなくしっぺ返しが来るわ。あなたと‥由乃ちゃんに」
「……」
「由乃ちゃんはそれを分かっていたはずだわ。由乃ちゃんに怒られた時の言葉覚えてるかしら?
単に、怒ってるだけじゃなかったはずよ」

ああ。
私、お姉さまとのやり取りが楽しくて他の事に考えが及んでいなかったんだ‥。
いくら、他の人に迷惑を掛けないように考えた上でやったって、絶対なんて事ないんだ。


「それに、姉妹だというのなら、からかうという方法以外で向き合えないの?。もう、そういう時期じゃないでしょ」
「……」
「まあ、甘えているという点じゃ由乃ちゃんにも言えることね。あなたが可愛くて可愛くて、強く言えなったんだろうから」

私‥お姉さま…


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