【No:3532】【No:3533】【これ】
興味を持って頂きありがとうございます。
注意点として書きます。
一部、自分で設定を作りました。ご容赦下さい。
〜続き〜
「それで何が原因なの?」
「これよ、これ」
そう言うと、由乃さんはバンッ!!と、クシャクシャになっている紙を置いた。
「それ‥何?」
「見れば分かるわ」
広げてみると、それは今日発行のリリアンかわら板だった。
「たまたま、新聞部に行く用事があってね。先駆けてくれたのよ」
「あっ、もしかして‥」
「乃梨子ちゃんは読んだのね」
「どういう事?由乃さん」
「祐巳さん疎いわよ。乃梨子ちゃん、ロサ・キネンシス様に説明して差し上げて」
「由乃殿、面目ない‥。乃梨子ちゃんお願いね」
「私も読んだわけではないので推測でしかありませんが。
ロサ・キネンシスは、今日発行のリリアンかわら板に、どのような記事が載っているかご存知ですか?」
「確か‥蕾の特集という事で、今回は菜々ちゃんの特集だっけ?」
「はい。その通りです」
「でも、それがどうして由乃さんが怒る事に繋がるの?」
「それは私も‥。ですが、可能性としてはそれしか無かったので。ロサ・フェティダ合ってましたか?」
「何だ、乃梨子ちゃんも知らなかったの。誰も読んでないの?」
皆が一斉に頷いた。
ん?。
志摩子さん、時計を気にしてる?何か用事かな。
「そう‥真美さんには感謝しないといけないわね。
誰も知らなかったのなら教えてあげるわ。
瞳子ちゃん、見出しとインタビューのQ1ってとこを読み上げて頂戴」
「分かりました」
その内容は、次の通りだった。
《あなたが欲しいの!!ロサ・フェティダ情熱的アプローチ!?》
Q1:
ロザリオの授受についてお聞かせさい。
A:
お姉さまとのロザリオの授受は、一生忘れられない出来事となりました。
私は、スールの申し込みを1回断りました。
それは、1年生に蕾が務まるのだろうかという不安があったり、既に剣道部に入ることを決めたていたらからです。
そして、一番の理由として私よりも相応しい人が居るのではないかと思ったからでした。。
ですが、お姉さまは私を毎日のように訪ねてくださり、同じ時を過ごす事で私の不安は段々と無くなっていきました。
それでも、私よりも相応しい人が居るのではないかという思いは消えませんでした。
しかし、お姉さまからのあの一言が私の気持ちを変えました。
お姉さまは、
「スト〜ップ!!」
「あっ、はい」
「皆、分かった?じゃあ、祐巳さん!!答えは?」
「えっ、私?。そうだなぁ‥やっぱ嘘はいけないかな」
「△ね。半分正解」
「後の半分は?」
「祐巳さん‥」
「あの、お姉さま」
「何?瞳子」
「かわら板の内容は蕾の特集ですが、インタビュー自体は姉妹で受けますし校正も同様です」
「うん、そうだったね。…?」
「もぉ!!私が、あんなタイトルを許すと思う???私と何年付き合ってんのよ」
「あっ。じゃあ、全て菜々ちゃんがやったの?」
「はい、正解。ハナマルあげるわよ?。菜々が、校正後に私に内緒で新聞部に行ったらしいのよ」
「真美さんのとこには?」
「当然行って来たわよ。新聞部からの帰りに読んで、そりゃあもうビックリしたわ。
それで話を聞きに行ったら、菜々が原因だって分かったのよ。真美さんは、差し替えて発行するって言ってくれたから問題ないけどね。
それにしても、今度という今度は許すまじ!!菜々」
「それは大変だったね」
「という事で、他班に迷惑掛けて申し訳ないけど、菜々捜索隊を結成します!!隊長は私で、副隊長は志摩子さんね。」
「えっ、私?」
「さっき見かけたんでしょ?。重要情報を握っている人物は、それなりの要職に就くべきよ」
「ええ、分かったわ。でも・・もう頃合いだと思うから行きましょ」
「頃合い?どこに行くのよ?」
「江利子様に会いに」
「志摩子さん、江利子様の事は放っておいても構わないと思うわよ?。
江利子様がリリアンに来たにもかかわらず薔薇の館に来ないってことは、私達に気を使わせないためじゃないかしら。
それに、今もリリアンに居るとは限らないじゃないの」
「そうね。でもね、由乃さ「だったらいいじゃない。菜々を探すわよ。」
「志摩子さん、ここは私が」
「何よ乃梨子ちゃん」
「ロサ・フェティダすいません。菜々ちゃんは、江利子様と一緒に大学校舎の方に居るんです。
それと‥私達、江利子様に、時間が来たらロサ・フェティダを連れて来て欲しいと頼まれているんです」
「なっ‥なんですってぇ〜〜!!!」
私が気付いた違和感は、気のせいじゃなかったみたいだ。
「ど〜いう事かしら?皆で揃いもそろって江利子様に加担して」
「ええと‥志摩子さんお願い!!」
「そうね、妹の責任は姉の責任よね?志摩子さん」
「えっと‥とにかく、行きましょ。菜々ちゃんのために」
「菜々のため?」
「そうなんです!!江利子様が、菜々ちゃんのために由乃さんを連れてきて欲しいと仰ったんです。
私たち、詳細は何にも知らないんです。哀れな子羊なんです」
「乃梨子ちゃん元気ね。‥まあいいわ。菜々のためなら行くしかないわね。
それに、詳しい事は江利子様に聞いたほうが良さそうね。行きましょ」
「ごめん。ちょっといいかなぁ?」
「何なのよ祐巳さん。これからってときに〜」
「私も話が分からないかな‥」
「祐巳さん知らなかったの?」
「うん、さっぱり」
「ロサ・キネンシス申し訳ありません。江利子様からの指示で、ロサ・キネンシスは顔に出やすいから伝えなくて良いという事でしたので」
「あっ、そうなんだ‥私って一体…」
「お姉さま申し訳ありません」
「祐巳さん、ごめんなさいね」
「ううん、いいよ。そこは自覚しているしね‥」
「もう、祐巳さん。うじうじしないの。行くわよ!!エイエイ、オー!!。さぁ、祐巳さんも」
「‥エイエイ、オー。」
そうして私達は薔薇の館を後にした。