【No:3575】の翌日。薔薇の館で祐巳はため息をついていた。
「まったく、志摩子さんも由乃さんも話し合いで解決できないだけでも残念なのに、魔法少女だの美少女剣士だの名乗って『銀杏南瓜戦争』なんか始めちゃって。おかげで高等部が真っ二つじゃない」
話を聞いていた瞳子は補足する。
「片や最近の魔法少女らしく肉体言語を駆使し、一方の美少女剣士も相手にとって不足なし、と争いは激化してます。お二人をなんとかできるのはお姉さまを置いて他ありません」
「瞳子」
「なんでしょう」
「私がツインテールだからって超人バトルに参加できると思わないでよ! タヌキ顔だからって変身できないし。死んじゃうよ! ここは縦ロールが頑張る局面でしょう?」
「お言葉ですが縦ロールにも変身能力や戦闘能力はありません」
しばらく祐巳は考えた後。
「仕方ない。高い代償になるけどアレを使って介入しよう」
「わかりました。手配いたします」
数日後のリリアンかわら版。
『光の君を名乗る不審者が黄薔薇さまと白薔薇さまに撃退された。山百合会の記者会見後、紅薔薇筋は「ああまで使えないとは思わなかった。もう口きいてあげない」と心情を漏らした。これを受け学園側は警備体制を見直すことになった。』
さらにその翌日【No:3578】