【3585】 君が居るから年功序列威風藤堂、志摩子の道  (HORUS 2011-11-11 07:51:07)


「菜々ちゃん。ここではきちんと山百合会の年功序列に従うのよ。"アレ"でも薔薇の称号を持っているのだから」
「ですが、あの御方・・・目上とはいえ度が過ぎてはいると思いませんか!」
思わず志摩子に詰め寄った菜々は、悔しさの歯をギリギリと食いしばった。

「はあ? だからこの英文は現在完了形なんです! 現在完了形! 現在完了形で訳さないと一生点数もらえませんよ! おわかり?
何、その現在完了形の訳し方がわからない? 何のための教科書を持って来ているんですか! 『私たちは現在完了形の勉強をしているところです。』
『私たちは現在完了形の勉強を終えました。』と早く言ってください! ちなみに、今のは過去完了形ですから! 
まだまだ覚えなきゃならないことたくさんありますよ! おしてます! おしてます! 受験までおしてますよ! あなたたちの受験まで!」

「・・・実力主義・・・ヤダ・・・ぐすん・・・」
「ここでの年功序列だけは絶対崩さん・・・おのれ・・・」

祐巳と由乃は涙目で二年生のグラマーへと立ち向かった。

こうしてリリアン女学園成績連続一位を誇る二条乃梨子のスパルタ個人授業は果てしなく続くのであった。

こんな山百合会に変わって志摩子の頭によぎること。

『祐巳さんと由乃さんには悪いのだけれど、これはこれでみんなが下校した後の充電が楽しみなのよね』

こうして藤堂志摩子もまた部屋の片隅で一人黙々とストレッチに励むのであった。


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