令が自室にいると窓の外が突然オレンジ色に光った。
「な、何事!?」
窓を開けると家くらいの銀色のUFO?が浮いてる。
ドアが開く。飛行機のドアに似たそれが令の家の壁に当たって凹んだ。
「ぶつけるな馬鹿野郎!」
「すいません!」
中から流暢な日本語で男性の声がする。
様子を伺っていると身長50cmほどの全身銀色の宇宙人?が出てきた。
「初めまして。私は秘密偵察船船長のヤマダです」
丁寧に頭を下げるヤマダ。
普通の日本人ぽい名前だし。自分で秘密偵察船って言っちゃってるし。
「ご丁寧に、初めまして。私は支倉令と申します」
ツッコんでいいのかわからない相手だ。令は無難に挨拶した。
「地球にボケツッコミはないんですか?」
「初対面の相手にツッコミ待ちですか!」
ヤマダは満足そうに頷いた。
「話がわかりそうで安心しました。令に大事な話があります」
UFOの中からゴロリと人が出された。
「由乃!」
由乃はピクリとも動かない。
「彼女は我々が不時着した場所に居合わせ襲いかかってきたため無力化しました」
曲者、と竹刀で攻撃する姿が目に浮かぶ。
「地球は攻撃的なので武力制圧します」
「何ですかいきなり? 考え直してくださいよ!」
「では猶予を与えましょう。今から一週間以内に私を笑わせれば文化的な星として見逃しますが、笑いを取れなければ武力制圧します」
「おかしいですって、その二択!」
「彼女はその間無力化したままにしておきます」
「人質!?」
「いや、無力化しておかないとおっかないし」
何をやった由乃。
「武力行使したらもっと怖いことになりますって!」
「笑わせてくれたら済む話です。では令、私を笑わせてください」
「ええっ、もう!?」
宇宙人相手にどう笑いをとればいいんだ? 宇宙に通じる笑い? 宇宙宇宙……。
「宇宙に夢中。金星人は均整がとれてる。火星人の家政婦。エイリアンは鋭利やん」
ドカッ!!
脳天に衝撃が響き目から火花が出た。
上から金ダライが降ってきたのだ。
「また明日きます」
ヤマダは引き上げて行った。
金ダライって宇宙でもこう使うの?
一日ワンチャンス?
どうしよう。
【No:3605】へ続く