【No:3603】の続き
かかりつけの病院で検査を受けた由乃は目覚めない以外異常なかった。
令は叔父夫婦、両親に事情を説明する。四人は飛び去るUFOを目撃していたので令の言うことを信じてくれた。
「つまりその宇宙人を笑わせれば由乃は起きると?」
「宇宙人の言うとおりであれば」
「明日非礼を詫びて元に戻してくれるか交渉してみよう」
こうして次の日。窓の外がオレンジに光ってUFOが現れドアが開くがまた家の壁に当たった。
「気をつけろ馬鹿野郎!」
「すいません!」
そしてヤマダ登場である。
「ごきげんよう」
「ごきげんよう、令。おや、こちらは?」
「由乃の父です。昨日は娘が失礼なことをしたようでお詫びいたします」
「由乃の母です。本当に申し訳ありませんでした」
「いえ、こちらこそ。私は秘密偵察船船長のヤマダです」
お辞儀する叔父夫婦とヤマダ。
「あの、ツッコミは?」
ヤマダは要求するがポカン顔で叔父夫婦は見つめる。
「このセンスで笑いを取れるのですか?」
「あくまで笑いを取らないと娘は戻せないと?」
叔父が確認する。
「はい。ではどうぞ」
一瞬、どうするのという空気になるが叔母が前に出た。
「私の面白話を聞きなさい。子供の頃……ふふっ、あはっ!」
「叔母さんネタで思い出し笑いしないで!」
ドカッ!!
また金ダライ。
「仕方ない、私が挽回するわ。この前友達から聞いた話なんだけど夢の中で会社行ったらスケジュール表に『オシャレなブーツの選び方』って書いてあったそうよ」
「お母さん夢オチを最初にバラしちゃダメ!」
ドカッ!!
やっぱり金ダライ。
「俺のとっておきの宴会芸座布団回しで由乃ちゃんを助けてみせる!」
「お父さん地味すぎるよね、それ!」
ドカッ!!
所詮金ダライ。
「こうなったら僕が女装アイドル物真似をやるしか!」
「叔父さんこの流れでやってもグダグダすぎるって!」
ドカッ!!
それ見たことか金ダライ。
「また明日きます」
引き上げて行くヤマダ。
ドカッ!!
令の頭上にも金ダライが降ってきた。
宇宙にも連帯責任ってあるの?
【No:3606】へ続く