※短編祭の最中ですがここで宣伝というか告知というか恒例行事というか、とにかく残念な例のアレです。
筒井環は朝倉百の部屋の前、というか修人さんと香也さんの部屋に入る前というか、つまり北側のトイレや洗面所の並びに、廊下を広くしたようなスペースのソファセットに百と並んで腰かけていた。
「なんです、改まってお話って」
「ごめんモモッチ」
「何がです?」
環は言った。
「【短編祭】のSSばっかり読んでて、2012年11月30日に『お釈迦様もみてる 清き一票(仮)』が出るのが10月3日にきてたのに落としてた」
「ちょっと、それは環さまが謝ることではなく、書いているうp主が詫びるべきことですよね?」
ごめんなさい。
「で、買うんですよね、当然」
「……」
「環さま、なぜ無言なんですか。裏ロサ・カニーナですよ。ロサ・カニーナ! このうp主誰よりもロサ・カニーナの話ちゃんとしてほしいじゃないですか」
「たぶんうp主は買うよ、うん。たぶん祐麒くんがウダウダグジグジ言いながらなんやかんやあって開き直って選挙に出て生徒会長になるまでの話だろうけれど、それだと『涼風さつさつ』の『生徒会長にさせられた』的発言と矛盾するよね。その回収とか気になるからたぶん」
「たぶんとか言わないでくださいよ! しかも、その視点はうp主のものですよね! 買うって言いきってくださいよ!」
「モモッチ」
環の視線が厳しくなる。
「な、なんですか?」
「『マリみて』ヲタにはつらいBL的な本を嬉々として買えって、『マリみて』ファンを露骨に釣るために『マリみて』キャラを毎回エキストラ同然に出してる本を買えって、『マリみて』の本編は再開する気なんざ更々ねえ宣言【No:3573】の後『なんだかんだ言って買ってるんじゃねえか、ヲタはヲタらしく大人しく原作者&編集部に貢ぎやがれ』って悪意のにじみ出る本を買えって、そんな悪徳セールスマンみたいなことを『汚れを知らない乙女』がやっていいと思ってるの?」
「だから今まで嬉々として買うように――」
ここで百は思い出した。
これは『新刊告知』であって、ただの一度も『買え』とは言っていないシリーズであることを。【No:2898】【No:3050】【No:3141】【No:3180】【No:3262】【No:3573】
そもそも始まりは『ハロー グッバイ』でシリーズ終了(?)後の原作者の新刊が『お釈迦様もみてる 学院のおもちゃ』であった残念感の共有に過ぎなかった【No:2898】ことを。
百合とBLは別々であり、百合ヲタにとってBLは全然嬉しくないという涙と悲しみといら立ちの象徴であったことを。
「でも、蓉子さま世代降臨の回【No:3180】だけは明らかにはしゃいでましたよね?」
「蓉子さまさえご健在ならそれでいいんじゃ」
「うp主、環さまに変なことを言わせないでくださいよ」
おっと、本音が。
「このシリーズが出る度に毎回思うんですが、我々はどうすればよろしいんでしょう」
「『お釈迦様もみてる』なんて盛り上げないで『マリみて』を盛り上げて頑張りましょうってことよ。ほら、今ちょうど【短編祭】やってるし」
「結局うp主の企画の宣伝ですか!」
おあとがよろしいようで。<m(_ _)m>