【3836】 鬼屋敷桃実一日デートプリーツを乱し  (千早 2014-12-28 19:28:52)


【短編祭り参加作品】

マリア様がみてるの百合小説です
登場伽羅は松平 瞳子と福沢 祐巳と二条 乃梨子です
瞳子の視点から書かれています
〜お姉様の魅力的な所〜
まさか一枚の写真であんな事になるとは思ってもなかった
瞳子は薔薇の館に行くと先に乃梨子が来ていた
「乃梨子、早いのね、お姉様達はまだ来てないのかしら?」
「来てないよ、それよりも瞳子、実は面白い写真を手に入れたんだけれども見る?」
「写真?そんなのに興味はありませんわ」
「見たくないだ、祐巳様の写真なんだけれどもな」
「ッ!?仕方がありませんわね、見ても良いですわよ」
「別に無理に見る必要はないんだよ」
「無理していませんわ」
「でも瞳子は写真なんか興味ないんだよね」
「…乃梨子、いい加減に怒るわよ」
「あはは〜〜ごめんって、瞳子、はい、これがその写真だよ」
瞳子は乃梨子から一枚の写真を受け取った、すると写真にはお姉様の下着姿が写っていた
「乃、乃梨子、これってまさか!?」
「そうだよ、祐巳様の着替えの様子だよ」
「ふ、不潔よ、こんな写真なんか見たくありませんわ!!」
「へ〜〜〜ならこの写真はいらないんだね」
「誰も要らないとは、言ってはないでしょう」
「でも瞳子の嫌いな不潔な写真だよ」
「うっ…」
「くくく、冗談だよ、最初から瞳子にあげるために写真部から貰ってきたんだからさ」
「瞳子はこんな写真なんかいりませんわ」
「良いから瞳子が受け取ってよ、瞳子が受け取ってくれないと捨てるしかないんだからさ」
「捨てるんだったらこの写真は、瞳子が受け取りますわ」
瞳子はお姉様の写真をポケットに入れた
「もう瞳子は素直じゃないな、まあ瞳子らしいけれどもね」
乃梨子は楽しそうにくすくす笑った
「瞳子、乃梨子ちゃん、何してるの?」
「お、お姉様!?いつからおられたのですか?」
「いつからって今来たところだよ、何かとりこんでいるみたいだけれどもどうしたの?」
「な、何でもありませんわ」
「私に言えない事?」
「そ、それは…」
「祐巳様、私が瞳子の家で泊まり会をしたいと頼んできただけです、でも瞳子には断られましたけれども…」
「そうなの、瞳子?」
「そうです、今はお母様が風邪をひいているから無理だと断っただけです」
「瞳子のお母様が風邪なの?」
「お姉様が気にする必要はありません、ただの風邪ですから」
「そうなの?なら良かった」
瞳子はほっと胸をなでおろすお姉様を見て瞳子の胸の良心が痛んだ、そして心の中で『ごめんなさい、お姉様」て思った
その日の放課後にお姉様と下校中にある事を話しだした
「ねえ、瞳子、知ってる?」
「何がですか、お姉様?」
「写真の事だよ」
「えっ!?」
「山百合会の盗撮した写真が出回ってるらしいよ、しかも私達が着替えてる下着姿もでまわってるて言うじゃない何だか気持ち悪いよね、瞳子も気を付けた方が良いよ」
「…お姉様もやっぱり下着姿を見られるのは嫌ですか?」
「そんなの誰でも嫌だよ、あっ、でも瞳子になら下着姿でも裸でも見られてもかまわないよ」
「お、お姉様、からかわないでください」
瞳子は顔を赤らめた
「からかってないよ、でも本当に盗撮は嫌だよね」
「うっ…」
「どうしたの、瞳子?」
「その…ごめんなさい、お姉様」
瞳子はふかふかと頭を下げた
「ど、どうしたの、いきなり謝ったりして」
「実は乃梨子からお姉様の写真を頂いて…」
「写真がどうしたの?私の写真だったらいくらでも持っていても良いよ」
「そうではないんです、その…写真はお姉様の下着姿だったから…」
「えっ、私の下着姿!?」
「ご、ごめんなさい、お姉様、今すぐに破って捨てますから」
瞳子は頭をさげるとすぐさまポケットからお姉様の下着姿の写真を出すと、お姉様に瞳子の手を掴まれた
「別に破らなくていいよ、瞳子」
「で、でもお姉様は自分の下着姿の写真が他人が持ってるのは嫌ではないですか?」
「確かに他人が持ってるのは嫌だけれども、でも瞳子は他人ではないし、それに瞳子になら持っていてもかまわないよ、でも瞳子だけ私の下着姿の写真を持ってるのは不公平だよ」
「お姉様、なんだか嫌な気しかしないんですけれども…」
「瞳子の下着姿の写真を私にちょうだい」
「お、お姉様、何言ってるんですか!?」
「だって瞳子だけ私の下着姿の写真を持っているのは不公平だよ、だから私にもちょうだい」
「そんなの駄目に決まってます!」
「どうしても、駄目…?」
お姉様は捨てられた子犬みたいな瞳で見つめてきた
「うっ…」
「瞳子だけ私の恥ずかしい写真を持ってるのに…」
お姉様はうるうるした瞳で瞳子を見つめた
「ううっ…」
「瞳子は私だけ恥ずかしい思いをさせるんだ…」
「うううっ…」
「瞳子は私の事を嫌いなんだ…」
「ッ!?そんな事ありませんわ!!」
「だって瞳子の写真を私にくれないんでしょう…?」
「そ、それは…」
「やっぱり私の事が嫌いなんだ…」
「あ〜〜〜もう解りましたわ!、瞳子の下着姿でも裸でもなんでも写真をあげますわ」
「本当に!?」
お姉様はぱ〜〜と明るい笑顔になった
「瞳子の言葉に二言はありませんわ」
「ありがとう、だから瞳子の事が大好き!!」
お姉様は瞳子に抱き着いて頬ずりをしてきた
「きゃっ!?もうお姉様、いきなり抱きつかないでください」
瞳子は顔を赤らめながら横を向いた
「え〜〜〜〜、良いじゃない、可愛い妹との大切な親睦を深めてるだけなんだからさ」
「そんなのお姉様が瞳子に抱き着きたいだけじゃないですか?」
「えへへ〜〜〜、そうとも言うかな」
「ふ〜〜〜…もうお姉様ったら仕方がありませんね」
瞳子はため息を吐いた
「それじゃあ、瞳子、今度の日曜日、私の家で瞳子の写真を撮らせてね」
「お姉様の家で写真を撮るんですか!?」
「えっ、学校が良いの?瞳子の下着姿をカメラで撮るんだよ」
「誰もそんな事言っていませんわ!」
「でも私の家で撮るのは嫌なんでしょう、まさか、外が良いの?」
「そんな訳ありませんわ!」
「それなら私の家で良いんだよね?」
「は〜〜〜…もう好きにしてください…」
「うん、ならそうするね、そうだ、瞳子」
お姉様は瞳子の顔にお姉様の顔を近づけてきた
「な、なんですか、お姉様?」
「私の我儘を聞いてくれてありがとう、瞳子の事が大好きだよ」
お姉様が瞳子の口にキスをした
「お、お姉様、いきなり何を!?」
「何って、感謝の気持ちを表したんだよ、もしかしたら瞳子は私にキスをされるの嫌だった?」
「嫌ではないのですが…でも外では控えてくれると嬉しいですわ」
「解った、なら今度は室内でするね」
「全然解ってませんわ!!」
「えっ、どういう事?」
「は〜〜〜もう良いです…お姉様に言っても通じないと思いますから…」
「そう?辺りも暗くなり始めたから、さっさと帰ろう、瞳子」
お姉様はいきなり瞳子の手を握り締めてきた
「そ、そうですね…帰りましょう、お姉様」
瞳子も顔を赤らめながらお姉様の手を握り返して歩き出した
昔はいつもあなたを探しに行ってばかりでしたわ、その癖お姉様に近づくのが怖くて距離を取り…全く矛盾していましたわ、それなのに今では瞳子はお姉様に依存していて、もうお姉様無しでは生きていけないほどに…人間変わるものですわ…
瞳子は隣に歩くお姉様に向かって、心の中で「瞳子もお姉様の事が好きです」と思った
〜おわり〜



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