【396】 マジカルドリル魔術  (joker 2005-08-20 00:16:29)


「エロイム・エッサイムー、エロイム・エッサイムー」
 夜の薔薇の館、誰もいないはずの、館の中から、怪しげな、声が、聞こえて、くるよ。
「祐巳さま、腹話術なんてやらなくていいです。これは魔術ですわ。」
「だって、黒子の格好をしたら、やりたくなるじゃない。ほら、えーっと、牛とカエルのショートコントとか。」
「祐巳さま、これはローブです。それに、ネタがあってませんわよ。腹話術は一○堂ですわ。」
「えっ?あれって耳がでっかくなっちゃうやつじゃないの?」
「……もう!祐巳さまは少し黙っていて下さいまし。後少しで仕上げなのですから。」
「ううぅ、瞳子ちゃんのいけずぅ〜」
「(む、無視ですわ。今、振り向いたら負けですわ。)……我は求め訴えたり〜」
「瞳子ちゃんって、何を求めるつもりなの?やっぱり、『ドリルが無くなりますように。』とか?」
「(…む、無視ですわ。)オムニポテンス・アエテルネ・デウス・クゥイ・トータム・クレアトゥラム……」
「むー。……暇だな〜。(ちらりと瞳子を見て)と・う・こ・ちゃーん」
「(…む、無視)コンディディスティ・イン・ラウデム・エト・ホノレム・トゥーム……」
「(穴を掘って)瞳子ちゃんの髪はドリル髪〜。」
「(…無視)アク・ミニステリウム・ホミニス・オロ・ウト・スピリトゥム……」
「ねえねえ、このドリルのスイッチってどこにあるの?」
「(む、無視で……)」
「あー、なるほど。このリボンを回せばいいのかぁ。それっ、ピタゴラスイッチ♪。(リボンを螺旋状にまわす)」
「………祐巳さま!!さっきから何をやっていらっしゃるのですか!!!」
「だって、瞳子ちゃんが構ってくれないから……。」
「そもそも、祐巳さまが『叶えたい事があるから、魔術を試してみようよ。』っておっしゃったから、グリモアを探し出してきて、今こうして瞳子が魔術をしてるのではありませんか!!!」
「あ、その願い、もう叶っちゃった。(てへっ)」
「『てへっ』じゃありませんわーーー!!じゃあ、祐巳さまの願いって、何だったのですか!!」
「瞳子ちゃんと、夜の学校で二人っきりで過ごす事だよ♪」
「……!?な、な、それは、その、(キュー……////)」







 何だこのオチ?


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