【448】 三賢者へ行ってみませんか  (joker 2005-08-30 02:47:59)


No437の続きです。




「じゃあ、今から行きましょうか?」
「…えっ?」

 江利子の思わぬ言葉に、私はびっくりした。
 果たして、江利子は私の話を聞いていたのだろうか?今、聖を連れて行ったら、さすがに私も止めれるかどうか。私はまだ、聖のせいで、死にたくない。
「聖のせい、だなんて、つまらないわよ、蓉子。」
「人の心を読むなっ!」
 思わず私は、胸を両腕で覆う様に隠す。
「……そんな事しても、心は読めるわよ。それより、さっさとキリスト様のところに行くわよ。せーいー!」
 江利子が大声で聖を呼びはじめて、少し焦る。
「ちょっと、江利子!さっきの話を聞いていたの!?」
「まあまあ、蓉子。落ち着いきなさい。聖は、美人を目の前にして話す事すら出来なくて、いらついてるだけよ。マリア様に会わせて2、3話しをさせれば、いつもの聖に戻るわよ。そうなれば、蓉子でも、いつもの様にぶっとばせるようになるわ。」
「…いつもの様に、って……」
 聖にそんなに酷い事をしてただろうか?あやつの行動からして、ちょうどいい方法をとっていたが、少し考え直した方がいいかもしれない。
 と、丁度聖が服を着替えて部屋に入ってきた。
「聖、ちょうど良いところに来たわね。今、蓉子を説得したから、キリスト様のところに行くわよ。」
「えっ?ホント?やった〜♪」
 何だか、江利子に言いくるめられた様な気がするが、聖が子供の様に喜ぶ姿を見て、まぁいいか、と思うことにした。




また続く。


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