「ごきげんよう、祐巳さん。どうしたの、なんか元気ないわね。」
「あ、ごきげんよう、由乃さん。実はこの間瞳子ちゃんに、すごく不細工って言われちゃったの。別に自分のこと可愛いとか思ってるわけじゃないけど、面と向かって言われるとやっぱりちょっとね。」
「なんだ、そんなことで凹んでるの。いいのよ。祐巳さんの取り柄はもっと別のとこなんだから。それにしても瞳子ちゃんは生意気ね。言っていいことと悪いことがあるでしょうに。」
「祐巳さん、ごきげんよう。ため息なんかついて何かあったの?」
「ごきげんよう。志摩子さん。実は(以下略)」
「まあ、そうだったの。私にはちょっと分からないけど、そういうことを言われるとやっぱり傷つくわよね。でも例えそうでも私は祐巳さんの友だちよ。」
「ごきげんよう、祐巳さま。あの、暗い顔されてどうかなさったんですか。」
「ごきげんよう、乃梨子ちゃん。実は(以下略)」
「瞳子のやつ、そんなこと言ったんですか。申しわけありません。私からよく言っておきますから。」
「祐巳さま、ごきげんよう。ご様子がすぐれないようですが、大丈夫ですか。」
「可南子ちゃん、ごきげんよう。実は(以下略)」
「そうですか。瞳子さんがそんなことを。でも祐巳さま、気にすることはありません。それはきっと火星に行かれた双子の片っぽのことでしょうから。」
「祐巳ちゃん、ごきげんよう。いつもと様子が違うみたいだけど、悩み事でもあるの?」
「ごきげんよう、令さま。実は(以下略)」
「そうだったの。でもほら由乃と違って、祐巳ちゃんは一年生の間では大人気だから。」
「ごきげんよう、祐巳。なんだか表情が冴えないわね。何があったのか言ってごらんなさい。」
「ごきげんよう、お姉さま。実は(以下略)」
「そう。それでも私はいつでも両手を広げて待っているから。」
「・・・誰も『不細工』ってところは否定してくれないんだね。」