【637】 新潟すごいパワー二度ある事は三度笠  (ROM人 2005-09-25 01:51:51)


ROM人の書いた 【No:624】『すごいパワー細川父の魔の手』の続きです。
こんなん続けるなって感じですが(w
ああ、どんどん細川父が救いようのない最低男になっていく(爆)
ちなみに、原作設定はかなりすっとばしてます(w




「可南子お姉様?」

悪夢の序章は、その少女の口から発せられた。
この子を見ているとなぜだか父の顔が思い出される。
そうだ、多分私の感じているのは多分正しい。

「貴女、名前を教えてもらえる?」
「えっと……夕貴です。 細川夕貴……いえ、神谷夕貴です」

少女は一度、細川姓を名乗った後、言い直した。
つまり、そう言うことなのだ。
目の前の少女は、私の腹違いの妹に間違いない。
『浮気は文化だ』とか言った芸能人が居たが、
とりあえず彼がテレビに出たら速攻でチャンネルを変えたい気分だ。


「実は、私の他にも中等部に一人、初等部に二人、幼稚舎に一人、妹たちが居ます」

少女の告げた事実に思わずめまいがする。
さすがにソレは冗談だろうと思えない自分が悲しい。

「あの……お姉様?」
「お願い、二、三日考える時間をちょうだい」

私はそう言って彼女に背を向け、逃げるように帰宅した。


「あ、会っちゃったんだ」
帰宅した母に思い切って話を切り出すと、母のリアクションは意外なほどあっさりしていた。
「あの……おかあさん? 頭に来たりとかそういうのってないの?」
「別に。 知ってたから、今更腹立てたりしないわ。 最初に知ったときは、あの人が立てなくなるまで殴ったり蹴ったりしたけどね」
最後には、呆れて物も言えなかったわと母は笑った。
「だから、可南子のことは絶対にリリアンに通わせるもんかって思ったんだけどね」
「え?」
「あの人ね、酔って女の子を口説くとき必ず『二人の間に女の子が生まれたらリリアン女学園に通わせよう』って言うのが口癖でね。 私の時もそうだったわ」
「……」
「可南子がリリアンに通うって言ったとき、運命なのかなって思ったわ」
「可南子が会った神谷さんのお母さんは私の後輩。 やっぱりあの娘、リリアンに娘を通わせたのね」
母は懐かしそうに何かを思いだしているようだった。
「……どうして、そんなに簡単に許せちゃうの? その人はお父さんとその……」
「いわば、戦友なのよ。 次から次へと浮気を繰り返すダメ男に本気で惚れてしまった馬鹿な女同士ってやつね」
母達は、新しい父の浮気相手が出来るたび仲間を増やし友情で結ばれたという。
被害者の会みたいな物か?
いや、そんな問題じゃないし。
母達がわからない。

しかし、謎が解けた。
あの子が言っていた幼稚舎から中等部にも居るという妹たちの謎が。
私は、なんて場所にわざわざ足を踏み入れてしまったのだろう。
「そうそう、実は可南子にはお姉さんも何人か居るのよ。
 私と結婚する前に付き合っていた人達。 確か、可南子より一つお姉さんだった桂ちゃんとか、あとは……」

おかあさんに笑顔でトドメを刺された。

とりあえず、一回新潟に行こう。
そして、とりあえず父を殴ろう。
まずは、それからだ。


(暗転)


殴ってきた。
夕子さんがかばってたけど。
とりあえず、立てなくなるまで殴って蹴ってきた。
ぜんぜんスッキリしなかったけど。

「可南子お姉様?」
「とりあえず、その呼び方はやめて」
「可南子さま」
「話は聞いたわ、やっぱり貴女は血の繋がった妹なのね……」
「そうなりますね」
「でもね、ぜんぜん実感無いし、いきなり妹だって言われても、正直困ってるのよ」
「じゃあ、とりあえず私にロザリオとか渡してみませんか?」
「はぁ?」
「実の姉妹として認識できなくても、とりあえず姉妹制度の妹でお試し期間ってのはどうでしょう?」
「あなたねぇ……」
「それとも、他に妹にされたい下級生でも?」
「いや、特にいないけど」
「じゃあ、決まりです。 可南子さまのロザリオ楽しみにしてますから」
「え? あっ? だ、だから……。 ちょっと待って」
言うだけ言って彼女はとっとと行ってしまった。

それから、なし崩し的に私は彼女にロザリオを渡し、妹にしてしまった。
瞳子に話したらお腹を抱えて笑われたので、仕返しに彼女のドリルを輪ゴムで滅茶苦茶に縛ってやった。
絡まって取れなくなって泣いてた。少しスッキリした。
どうせ、それを理由に祐巳さまとイチャイチャするのだろう。だから謝る必要なし。

さて、これからどうしようか。

(つづく?)
#しかし、細川父すごい命中力だなぁ(w


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