がちゃSレイニーシリーズです。
【No:594】と【No:610】の間に入る話かな?
しかし、すごいことになったものねえ・・・。
私は、マリア様の近くの茂みの中にいた。
私は生涯独身だって言っているのに……。何でそのことを知ってる、三年生まで追いかけてくるかなあ。
まあ、一年生は、多少はしょうがないのかも知れないけど。
新聞部の号外にあおられた、一年生と三年生を巻いて、場所を転々とし、最後にたどり着いたのがこの場所だった。
この場所を知っているのは、一部の熱心な写真部と新聞部の生徒だけだから、予鈴まで隠れていれば、何とかなるだろう。
「お姉さまになって下さい!」
「え? 残念でだけど、私にはもう妹がいるのよ」
号外の影響は拡散してる。今も目の前で、一年生が、三年生に姉妹の申し込みを行っている。
そんな様子を思わずフィルムに収めている自分に思わず苦笑してしまう。
あの三年生は、確か桂さんのお姉さまだ。
「ええ、でも」
そう言って、なにやら、紙を差し出す一年生。
桂さんのお姉さまはしばらくかわら版を眺めると言った。
「ほうほう。なるほどね。慕ってくれるのは本当に嬉しいんだけど、私の妹は桂ちゃん一人だから。ごめんなさいね」
そういって、桂さんのお姉さまはその一年生に手を振って去っていった。
桂さんのお姉さまかっこいいなあーそう思いながら、彼女の背中をぱちりと一枚取る。
一年生の方はしばらくうなだれていた後、じゃあ次いってみよーとかいって、元気に校舎に向かっていった。
これも、姉妹のあり方の違いなんだろうけど……。
校舎に向かっていった一年生をぼんやりと見つめていたら、なぜか笙子ちゃんのことが浮かんだ。
笙子ちゃんは、今回の件で、姉を一杯持つのかな?
そんな疑問がふと、頭の中に浮かんだ。
【No:653】へ続く