偉大なる……
偉大なる紅薔薇様とその妹(スール)たる祐巳に栄光あれ
嗚呼、全ては祐巳から始まったということを忘れてはならない。
元白薔薇様をも俘にした萌えと可愛さと愛しさをもって祐巳の繁栄は永遠なるものなり。
「よ、由乃さん。」
「何、祐巳さん。」
「あの選挙のポスターの事なんだけど…」
「あー、あれね。中々良いと思わない?」
「いや、さすがにあのキャチコピーはちょっと……。しかも写真が、その、あの……」
「リーサルウエポン祐巳?」
「…うん。あれはちょっと恥ずかしいというか、何というか……あぅう。」
「祐巳さん、私と一緒に山百合会を背負いたい、って言ったわよね?」
「言ったけど、それとどういう……」
「いい、祐巳さん、選挙っていうのは、これくらいやらないと乗りきれないのよ!」
「そ、そうかな?」
「そうよ!また去年みたいに新しい立候補者を出さない為にもインパクトを強くしないと。最近では蔦子さんのハイドスキルも発覚してるし、いつ『蔦薔薇様』が出てきてもおかしくないんだからね!」
「いや、でも、蔦子さんは出ないと思うんだけど…」
「何を甘い事言ってるのよ!蔦子さんが本気を出せば全票もっていかれるわよ!」
「で、でも誰も蔦子さんを直視出来ないわけだし…」
「甘ーい!甘いわ、祐巳さん。この前、祐麒君と食べに行ったパフェより甘いわ。蔦子さんは今はメガネ掛けてるけど、グラサンにしたら究極の美貌の一歩手前までパワーアップするのよ。」
「そんなバカな…って、それより祐麒と」
「祐巳さん知らないの?蔦子さんは昔、グラサンを掛けてたんだけど、その美しすぎる蔦子さんの一挙手一投足で多くの人が失神していくから、国がグラサンも禁止して蔦子さんにメガネを掛けるように義務付けたんだから。」
「蔦子さんの美貌って国まで関係していたなんて…、それより、さっきの祐」
「だから祐巳さん、今回のポスターはこれでいくわよ。分かった?」
「うん、それはもう諦めたけど、さっ」
「よーし、じゃあ行ってみよう。」
「…………」
そして、今年の選挙は祐巳のポスターの影響により対抗馬もでず、無事に終わったトサ。