「志摩子さん、もうすぐ日が沈みますね……」
「そうね、でもあと少しだから」
「周りで作業している人、誰も居ませんよ?」
「あと3カ所の田圃に植えれば終わりだから♪」
どこからどう見ても洋風な顔立ちに、手ぬぐいをかぶりもんぺ姿の現白薔薇様。
リリアンの生徒の誰がこんな姿を想像するだろうか。
二条乃梨子はそのアンバランスだが、なぜかそんな姿が似合ってしまう志摩子さんにもう一度惚れ直してしまう。
「あ、あと3カ所!?」
「そうよ」
「もう、だいぶ薄暗いんですけど……」
「平気よ、乃梨子が居るのだもの」
だからその何だかわからない根拠はどこから来るというのだろう。
でも、志摩子さんと一緒だから嬉しいんだ。
嬉しいということにしておこう。
とりあえず、「なんてタイトル引いてるんだROM人よ」と乃梨子は空に向かって呟いた。