【744】 (18禁)ペット生活  (六月 2005-10-18 23:06:26)


薔薇の館の会議室で福沢祐巳は頭を抱えて唸っている。
「・・・な、なんてキーワード引き当ててるんだか。
 こんなの潔癖症のお姉さまが見たら、どれだけお怒りになるか」
ちらりと隣の席の祥子さまを覗き見ると・・・。
「ペット・・・18禁・・・ゆ、祐巳をペットに、はふぅん」
えっと、ロザリオ返していいですか?お姉さま。
なにやらピンク色の世界に突入したお姉さまを置いて、黄薔薇姉妹の様子を見ると。
「由乃ぉん、私、由乃のペットならなってもいいわ」
「えー、いまさら令ちゃんをペットにしてもなぁ。今と変わらないしぃ」
「そんなぁ、見捨てないでよー、由乃ぉぉー」
「令ちゃんうざい!」
あーあ、どつき漫才やってる。というか、令さま、黄薔薇さまとしてのプライド無いんですか。
なんだか涙が出てきちゃった。
白薔薇姉妹は、と。志摩子さんはいつも通りほわほわと微笑んで乃梨子ちゃんを見つめてる。
で、その乃梨子ちゃんは・・・。
「あぁ、志摩子さんをウサ・ギガンティアにしてペットにしたい。
 でも、私が志摩子さんのペットになってセクハラされ放題もいい!
 あーん、悩むー」
壊れてた。ここにはまともな人は居ないんですか?

そうやってがっくりと落とした肩を、ものすごい力で掴まれた。
おそるおそる振り向くと、そこには鼻から一筋の血を垂らしたお姉さまが、般若の形相で私を見つめていた。
「あの、お姉さ「帰るわよ!祐巳!今日はうちに泊まりなさい。いいわね!?」
あう・・・私の意見は無視なのですね。
そのまま祥子さまに引きずられて行く福沢祐巳16才、今夜私の純潔は散ってしまうのでせうか?
痛いのだけは嫌だなぁ、とぼんやりと考えている私の目の前で、ビスケット扉が地獄の門のように閉じて逝くのだった・・・。


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