No.767 の続きです。
「呼ばれなくても参上します学園七不思議探検隊ですわ」
「今さらだと思うんだけど ”学園の七不思議”って、ネタ的に旬を過ぎちゃってない?」
「いいのです! 七不思議は永遠に仏滅ですわ!」
「いやそれじゃあダメでしょ」
「で、乃梨子さんも納得したところで…」
「納得してないって」
「今回は ”音楽室の怪”ですわ!」
「っとに、リリアンの防犯対策はどうなってんのよ? こんだけ大声上げてて守衛の一人も来ないなんて……」
「それには大変な事情があるのですわ」
「なによ? まさか札束切ったんじゃないでしょうね」
「そんな事はしていませんわ。 差し入れに特性ジュースをお持ちしただけですわ」
「………睡眠薬盛ったの?!」
「……音楽室の七不思議と言えば、定番の目が動く肖像画ですわね」
「お〜〜い瞳〜子〜〜、ちょっと私の目を見て説明してくれない?」
「このドアを開けますと! 肖像画がギロッっと睨んでくれるわけですわ!!」
「だから瞳子、何やったのか釈明してみなさいよ」
「さあっ、開けますわよ〜〜。 乃梨子さん準備はよろしいですわね」
「……はぁ〜、っとにも〜。 開けるのやめときな、前みたいに取り憑かれたく無かったらね。 今そこマジでやばいよ」
「……マジでやばいんですの?」
「私は平気だけどね。 音楽室の端っこの所に霊道がかかってるね、そこからあぶれて来たのが溜まってるから。 性質が悪いのが多いかな? 瞳子だと一発で憑かれるね」
「だ、だって。 昼間はここで授業を受けているんですのよ……」
「昼間と夜の顔が違う場所なんてどこにだってあるよ。 学校は顕著に出るね、あ〜あと神社とか、島原の原城もそうらしいね」
「の、乃梨子さんこのままではレポートできませんわ。 何とかできませんの?」
「私が何とかしちゃったらその瞬間にここは七不思議から外れるけど……いいの?」
「……う…うぅぅぅ。 そんなのダメですわ……た、たとえこの身が果てようと……」
「ちょ、ちょっと…瞳子?」
「ほ、骨は拾ってくださいませ乃梨子さん!」
「暴走すんなって瞳子!」
「いきますわ〜〜〜〜〜〜〜(ガラガラッ〜)……………………(チラッ)………な、なにも……なにも見えませんわ………ね……。 なんとも無いではありませんか乃梨子さん」
「………瞳子の体質がここまでとは、とんでもないヤツよね……」
「え? なんですの乃梨子さん、私を脅しておいてなんとも無いではありませんか」
「ええそうね、脅すようなことは言ったわね。 今ここには一体の霊体もいないわ、全部瞳子が背負い込んじゃったから……」
「……え? ……ええ? ……えええええええ〜〜??!!」
「私が手をだすまでも無かったか、瞳子が学校の七不思議の一つをつぶしました」
「そ、そんな。 わ、わたくしそのようなつもりでは…」
「一時的だけどね」
「へ?」
「その祐巳さまみたいな受け答え……紅薔薇の伝統にする気なの?」
「ゆ、祐巳さまは、か、か〜〜か〜関係ありませんわ〜」
「さ〜〜て、この場合どうしたらいいんだろ? 除霊か浄霊か……どっちがいいかな〜」
「あの乃梨子さん、聞いておられますか? ここでは祐巳さまも紅薔薇の伝統もまったく関係ないのですわよ」
「あ〜、そうか、話し通してないから、このままここでやるのはまずいか……話し付けておいた方がいいかな?」
「乃梨子さん、乃梨子さん! 聞いていらっしゃいますか? もしも〜〜〜し!!」
「瞳子、あんた自分に憑いた不成仏霊と祐巳さまの話とどっちが大事なの?」
〜〜〜〜〜〜 続く…… 〜〜