ここはリリアンの地下深く。人々の欲望渦巻くとある賭博場。
「はぐぅ!」
『おーっと!挑戦者、底力を見せ付ける!』
地下というリングの中で、金の為に戦う者達。
「…………」
『だがチャンピオン、無言でさらにペースアップ!挑戦者ももはや限界か!?』
そして、その戦いに巨額の富を賭け、楽しむ者達。
「ぐぶぉお」
『ああっと!ここで挑戦者が悶絶!!』
日々、欲望の為に行われる、闇の決闘、その名も……
「189…」
『おおっと!チャンピオン!圧倒的有利にも関わらず、更に食のペースを早める!』
「そ、そんな………うぷっ」
『ああっと!ここで遂に挑戦者、力尽きる!』
シュガーファイト
「私の胃袋は(甘い物に関しては)宇宙よ!」
食欲に群がる猛獣達と、それを金で持て遊ぶ人々の闇の闘食場である……。
そして、その試合の様子を眺めている影が一人。
「さすがは、チャンピオン。ローズ・レッド・ブロッサム……。だが次はこうはいかんぞ……!」
影は手元の書類に目を落とす。
「次は、こいつ。触れば触るほど食欲が増す、セクハラー・セイ。貴様はこいつを倒せるかな?フハハハ………」
誰もいない、名も無い闇室で、影が不気味に嗤った。