【821】 衝撃告白という気になる  (マリみて放浪者 2005-11-08 21:36:33)


祐巳・由乃・志摩子の三人は文化祭も終わりさほど急用もないからと祐巳の家に泊まる計画を立てた。

祐一郎とみきの二人は運悪く知人の家から招待を受けていた為不在である。このことを中に入ってから知った由乃と志摩子の双眸に怪しい光が見えたとかみえないとか…。
土曜の授業の後だった為、三人は簡単に昼食を済ませ、そして普段学校では話せないような内容の話をしていた。時間は折よく夕暮れ。夕食の買い出しにと三人は近くの商店街へと足を運んだ。買い物が終わり家へと帰ろうとすると、生徒会の仕事のあった祐麒と遭遇した。四人が家に着くと時間は六時を指そうとしていた。祐麒は部屋に行き祐巳ら三人は夕食作りに取り組んだ。楽しい食事の時間も終わり、女性三人を先に風呂に入れ、代わりばんこに祐麒が風呂に入った。


「私、祐麒さんが好き。」
「志摩子さんも?私も祐麒くん好きよ。」
「由乃さんも?私たち気が合うわね。」
「えっ、二人とも?いきなり何言っちゃうの?」
「ふふふ。祐巳さんったらとぼけてるのかしら?こういう時は好きな殿方を言い合うのがお約束でしょ?」
「そうよね。まあ私も初めてだから詳しくは解らないけどね。」
「ちょっ、ちょっと待って。確かにこういう時はそうかもしれないけどよりによって何で祐麒なの?」
「だって、祐麒さん優しくて、また私の心にすっと入ってきたのよ。」
「うんうん。志摩子さんの言うとおりね。そのあたりはさすが福沢姉弟というところだわ。」
「あの優しさに触れたら大抵の女性はイチコロだわ。」
「私はそれをモロに受けちゃった。劇で裾踏んだお詫びにとデートしたんだけど最高だったわ。」
「…由乃さん?いつのまにそんな羨ましいことをしたの?」
「数日前よ。まあデートと言っても平日だったから喫茶店でお茶してちょっと買い物しただけよ。」
「ちっ。先手打たれたか。」
「志摩子…さん?」
「何?由乃さん。」
「今何か舌打ちが…」
「由乃さんの空耳アワーよ。」
「そうよね。って祐巳さん?」
「渡さない渡さない渡さない渡さない…祐麒は私の!」
「「祐巳…さん?」」
「祐麒は私のものなの!由乃さんでも志摩子さんでも渡さない。勝負よ!」


その頃祐麒は…
「風呂はいいね。リリンが生み出した文化の極みだよ。」


今三人の女性による祐麒を巡る戦いが勃発した。


一つ戻る   一つ進む