【951】 車輪と羽根告死天使体感せよ  (joker 2005-12-09 10:00:27)


「というわけで、松平瞳子。お前の人生それでいいのか!?」
「どういうわけですの!天宮さん!というか、【No:206】から間が空きすぎですわ!」
 今、瞳子は目の前にいる二条乃梨子似の告死天使、死条天宮と対峙していた。
「って、この前の名刺では『天使』でしたわよ!?」
「細かい所は気にするな。」
「しますわよ!普通は!」
 目の前の乃梨子似の天使は乃梨子が決してやらない、やれやれという様な表情をして
「お前はそんなに余裕をかましていて大丈夫なのか?次の金曜日までに福沢祐巳に、妹にして下さい、と言わないと死ぬんだぜ?」
 と何故か男口調で話しかけます。
「…条件が変わってませんか?……まあ、いいですわ。それより貴方も大丈夫ですの?二人も乃梨子さんが居たら……」
 と言いながら、瞳子は後方を振り返り、銀杏並木を歩いている白薔薇姉妹を……
「…あれ?」
 …白薔薇様と一緒に歩いている祐巳さまを見た。
「ど、どういう事ですの!?」
「ちっ、もうバレたか……」
 天宮は顔をしかめ、舌打ち毒づく。
「やっぱり乃梨子さんでしたのね?」
「今は違う。今は死条天宮。二条乃梨子の体を借りている。お前に用がある時だけ浮かびあがるから、二条乃梨子の生活には影響は無い。記憶も修正しておくしな。」
「……どこぞの死神ですか?貴方は。」
 はぁー、ため息をついて脱力する。こんな奴に運命が握られるのかと思うと、気が重くなる。
「ですが、貴方は本当に天使ですの?確かに中身は乃梨子さんでは無いみたいですが…」
「ふむ、証明しろとな?ではあれを見ろ。」
 と言い、天宮は薔薇の館を指指す。
「……薔薇の館がどうしたのですの?」
「いいから見ておけ。だが、窓の下には近づくな。」
 妙な警告に、いぶかしがりながらも、窓を見ていると

『令ちゃんの〜、バカー!!』
『由乃、それはまず――』
ガシャーン

「あっ」
「ほらな。」

 得意そうな顔する天宮と窓から落下する令を見ながら、瞳子はとりあえず、救急車でも呼ぼうかな、と思った。


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