【97】 パラレル西遊記大安吉日出たとこ勝負  (ケテル・ウィスパー 2005-06-25 02:58:03)


 頃は大唐の時代。 天竺まで、三蔵の真経を受け取りにいく旅をしている玄奘三蔵”福沢祐巳”法師は、五行山の麓までやってまいりました。 
「もうし、旅の聖者様。 お待ち申しておりました」
「へ? それって私のこと? そ〜んな〜聖者って程の器じゃないよ〜」
「……私はかつて天界を騒がせた妖猿でございますが、釈迦牟尼尊者による洗脳…もとい説教により、仏門に帰依(リリアンはカトリックなのではありませんの?)いたしまして、聖者様のお供をするために、このようなところで500年お待ちしておりました」
「ふ〜〜ん、そうなんだ〜。 ねえねえ、瞳子ちゃん。 瞳子ちゃんのお名前は?」
「祐巳様!! 一応初めてお会いすると言う設定なのですから、そのようにしていただかないと困ります!! コホンッ! 斉天大聖”松平瞳子”孫悟空ですわ」
「え〜〜と、緊箍(きんこ)をつけるんだっけ?」
「ちがいます!! それはもう少し先です。 お札をはがすためにお経を唱えるんです!!」
「あ〜、そかそか。 じゃあ、いくよ〜 ”ま〜か〜はんにゃ〜はらみた〜 あ〜のくたら〜さんみゃ〜く〜さんぼだい〜 くう〜ねるところに〜すむところ〜 パイポ・パイポ〜ぱいぽのしゅ〜りんだい〜……」
「ネタ元がわかる方がいらっしゃると思ってるんですの?」
 
 お経が効いたのか、単なるそういう設定なのか。 大きな大きな五行山が浮き上がり、石の牢屋に閉じ込められていた”瞳子”孫悟空は、500年ぶりに外に出ることができました。

「粉骨砕身誠心誠意尽くさせていただきますから、どうかよろしくお願いいたしますわ」
「そう。 じゃあこれを首に掛けてもいいのね?」
「そそそそ、そうではなくって!! ロザリオをここで出してどうするのですか?!」
「そっか〜、瞳子ちゃんこれ要らないんだ……」
「い、いえ、その…い、いらないわけでは……そ、そうではなくて。 一応西遊記なのですから、それに沿ったものがありますでしょう?」
「あ〜、ここで緊箍(きんこ)なんだ」
「違いますわ!! ちゃんと脚本を読んできていらっしゃいますか祐巳様!!」

 打ち合わせ中・・・・・・打ち合わせ中・・・・・・。


 主従関係が成立しました。

「……私の苦労っていったい………」
「さぁ〜、瞳子ちゃん。 天竺へ向かって出発よ」

 ”祐巳”三蔵法師と”瞳子”孫悟空の、長くて険しい天竺への旅は、まだまだ始まったばかりなのでございます。

「なにか、瞳子が一方的に苦労しそうなのは、気のせいでしょうか……」
「大丈夫だよ、原作通りならなんとかなるから」
「ホントに大丈夫なのですか? この人で?!」



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