【996】 orz今日のドリテイック・  (六月 2005-12-26 01:13:13)


注:新刊ネタばれ含みます。未読の方は読み飛ばしてくださいm(_._)m



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冬休みが終わって、始業式の朝。
私は彼女を探していた。どうしても聞かなければいけないことがある。
「もう、登校してるはずなのになぁ・・・」
もうすぐ朝拝の時間なのに、教室には姿を見せていない。
昇降口で彼女の靴を確かめようと廊下を早歩きしていると、当の本人がその昇降口から現れた。
「瞳子!」
「な、いきなり何ですの、乃梨子さん」
「あんたにどうしても聞かないといけないことがあるのよ」
そう言うと瞳子はあからさまに不快だという表情をした。
「・・・祐巳さまとのことでしたら」

「違う!瞳子のドリルのことおぶわぁ!!」
ぎゅぃぃぃぃぃぃん!と猛烈な回転音を立てて瞳子の頭の両脇からドリルが伸びてきた。
「人の顔を見るなり『ドリル』とはなんですの!」
あやうく当たるとこだったわ。わずかに掠めたそれは廊下の壁をえぐっただけで済んだ。
「いや、瞳子のドリルってさ、攻撃用だけじゃなくて、防御形態も持ってるのか聞きたかったの」
「はぁ?」
「ディフェンス・シールドモードに変形できるんじゃないの?」
私の言葉に瞳子は俯きこめかみを押えてる。
「どこの誰がそんなこと言ったんですの?乃梨子さん」
「ほら、これ」
と私が指し示したのは、

マリア様がみてる-未来の白地図-28ページ
『「ごきげんよう、祐巳さま」
  ニッコリ笑うは、盾ロールの少女。』

だった。
「ね、それ盾にもなるの?」
「・・・・・・・・・いやぁぁぁぁ!!こんな間違い酷過ぎますわぁぁぁぁぁぁ!!」
脱兎のごとく泣きながら駆け出した瞳子を、ただ茫然と見送ることしかできなかった・・・。


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