がちゃS・ぷち

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No.1741
作者:春日かける@主宰
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2006-08-02 22:44:01
萌えた:1
笑った:2
感動だ:4

『見極めろ魂四重奏』

【No:1729】の関連作品(?)です。

瞳子は、体育館のステージ上に現れたセットを眺めながら、悦に入っていた。
舞台のセットはとてもリアルで、演劇部と協力してくれた部活に感謝しなくてはならない。
「どうですか、可南子さん」
「私は演劇はあまり詳しくないからなんとも言えないけど、いいんじゃない?」
可南子さんは台本をペラペラとめくりながら答えた。
「でも、私の椅子を投げるってのはどうなの」
「リアリティがありますわ」
「別にいいけれど」可南子さんは台本の続きを読み出した。
瞳子は可南子さんが視界に入る位置に立ち、セットを再び眺め出す。
「あら」驚きの声。
「どうかしましたの?」
「この舞台、真美さまも出るの?」
「そうですわ。いわば客演、ですわね。演劇部で出るのは私だけです」
「黄薔薇さまも出るのね。ふぅん」
「出たかったですか?」
「まさか。私は出るより見るほうがいいわ。志摩子さまに……あら、桂さままで」
「ご存知ですの?」
「テニス部では有名よ?」そう言いながら、可南子さんは台本のラストの方を読む。
すると再び驚きの声。
「……白薔薇さま、凄い役なのね」
「脚本の担当した方が言うには、普段見れない姿を、との事ですわ」
「いや、これ見たら乃梨子さんが怒りそうよ」
「うーん、でも意外性はありますわ」
「うん、まぁ……ね」
「出たかったですか?」
「実を言えば、ちょっとだけ」
「ふふっ」
「ところで、瞳子さん」可南子さんは、真面目な顔で瞳子を見た。
「はい?」
「いつになったら、ここから出られるの?」


◆あとがき◆
続編チックなお話で。狂った世界はいまだ終わらず。

前回【No:1736】の御返事です。
クゥ〜さん>みたいですねー。普段見れない(絶対見ない?)組み合わせですから。


(コメント)
ひろっぴ >『なぁーんだ、そういうことか』と思わせといて、最後の1行で見事な足払い。さすがですな。(No.11975 2006-08-02 23:09:48)
ひろっぴ >……でも票をどれに入れていいかわかんないや……(No.11976 2006-08-02 23:10:47)
ROM人 >「こんな顔だったかい?」ってのっぺらぼうの怪談を思い出しました。(No.11988 2006-08-03 03:13:11)
YHKH >最後の最後で冷や汗が…とことん意地悪な人ですね、貴方は…(No.11997 2006-08-03 22:57:49)

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