がちゃS・ぷち
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No.3266
作者:ついーと
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2010-08-28 00:45:22
萌えた:15
笑った:10
感動だ:2
『ピンクローズ乃梨子ちゃん鼻血鼻血』
【 はじめに 】
※ 二条乃梨子 の一人称SSです。登場キャラは乃梨子、祐巳、志摩子、他の山百合会面々。(乃梨子以外はほぼ名前だけ)
※ 設定時期は祐巳がリリアン高等部三年生へ進級後の春。原作の時系列などの細かい設定は無視してしまっています。
※ 乃梨子をはじめ登場キャラの性格が原作よりも著しく壊れてしまってます。
ごきげんよう、皆さん。
突然ですが、わたくし二条乃梨子は今とっても幸せです。
何でかって?
そりゃあ右手に志摩子さん、左手に祐巳さまの両手に花状態だからに決まってるじゃないですか。
あれですよ?
両手に花と言うより、もう腕とかに抱きつかれてるんですよ。
これはマズイって言うか・・・。
だってもう色んなトコロがくんずほぐれずの密着状態で、しかもダブル攻撃による幸福絶頂フィーバーなわけですよ!!
・・・・・。
失礼、取り乱してしまいました。
ただこんな状態では、いつものクール&ビューティー二条乃梨子ではいられないのは仕方がないことだとご理解頂きたい。
今の、あったかくて甘くてふわふわなダブルサンド二条乃梨子では冷静な判断もままならないのだとご想像願いたい。
ふに。
あ。ナンカ当タッタヨ。
このままでは激しく危ない気がする。
何とか気を逸らさねば!
今この現状ではなく別のことを考えればいいのだろうが、そんな余裕はないし、両サイドからはそんなチャンスを与えてもらえないし、色々もったいないし。
ならもう、なすがまま、なされるがままよ。
二条乃梨子が志摩子さんと祐巳さまの二人に抱きつかれる。しかも同時に。
一体どうしてこんな素敵空間に身を投じることとなったのか思い返してみようと思う。
別れと新しい出会いの季節、春。
祥子さまと令さまは卒業され、志摩子さん・祐巳さま・由乃さまが三年生となり薔薇さまとしての一歩を歩み始めたのはつい最近の出来事である。
ついでと言う訳ではないが乃梨子と瞳子も無事に二年生に進級し、薔薇の館には一年生の奈々ちゃんも新たに迎え入れた。
気持ちも新たに、これまで以上に一致団結して山百合会の活動をしていこうと語りあった。
それがどうして現在、桃色ハートフルな活動になってるんだ?
そうだ。
今日は確か、黄薔薇姉妹の由乃さま奈々ちゃんペアが剣道部で、紅薔薇のつぼみの瞳子も演劇部に行ってるんだった。
だからここ薔薇の館で仕事しながらお茶していたのは、今日は委員会がない志摩子さんと、山百合会以外の活動が特にない祐巳さまと乃梨子の三人だけ。
白薔薇姉妹に紅薔薇さまという構図だった。
祥子さま令さまは受験、由乃さま瞳子は部活があったため、この組み合わせは去年度にもよく見られた組み合わせのはずだった。
もちろん志摩子さんが委員会の時なんかは、祐巳さまと二人っきりになったりもしたもんね♪
・・・いやいや。したもんねじゃなくて。
えーっと。
仕事も一段落してお茶しながらおしゃべりしてたんだっけ。
そしたら卒業していった前薔薇さまの話しになって、やっぱりまだフとした瞬間にお姉さまがいないのは寂しいかなって祐巳さまが言いだして。
寂しいわぁ、なんて言いながら祐巳さまが私にジャレついてきだして、そのままセクハラしだしたんだった。
毎度の事ながら祐巳さまの抱きつきは気持ちいいなぁーと思いつつ、お姉さまの目やクールな乃梨子さんのプライドもあるので祐巳さまをケン制。
我ながらナイス・ポーカーフェイス!
そしたら祐巳さまがいつもの如く、これは聖さまから授かった山百合会に昔からある伝統のものだとか、私も聖さまにやられたんだから聖さまの孫の乃梨子ちゃんにやるのはオカシクないだとか、乃梨子ちゃんが不感症じゃないことを聖さまに証明しようとか言ってきて・・・。
それから、えーっと・・・そうだ!
いつもはそんなジャレ合いなのに、祐巳さまが志摩子さんにも抱きついちゃえとか言って、志摩子さんともハグハグやりだしたんだった。
うん、あれは眼福だった♪
そしたら次に、志摩子さんも乃梨子ちゃんに抱きついてみようよとか可愛く小首を傾げながら祐巳さまが言いだしたんだ。
ナイスナ提案だったが、如何せんTPOってものがあるじゃない?
私的には無表情で自重してたんだけど、いつもはおっとり観戦派の志摩子さんが今日はノリノリだった。
で、志摩子さんにも抱きつかれちゃった☆
うん、志摩子さんに抱きつかれるのも気持ちいいなぁ♪
天にも昇る心地よさっていうよりも、ここが天国と化してしまったんじゃないかと思う訳ですよ、Heaven☆
この幸せを強く噛み締めるのよ、乃梨子!
すると志摩子さんに抱きつかれた私を見ながら、いいなぁ乃梨子ちゃんとか言いつつ羨ましそうに指をくわえながら祐巳さまが見つめてきたんだっけ。
うわぉ!!
右と左のダブルでカワユス指数が高すぎて私の頭の処理が追いつかないぜ☆
その愛らしい百面相から、祐巳さまの中のお姉さまや妹に甘えたい度が段々と高くなっていくのがヒシヒシと感じられた。
でもってとうとう我慢できなくなって、わたしもーサンドウィッチーとか言ってニコニコしながら祐巳さまが抱きついてきちゃったんだよね☆
で、今に至ると。
あ、ヤバイ!
思い返したら、私の両サイドにひっついてる天使さんたちが益々可愛く思えてきた。
耐えろ、耐えるんだ乃梨子!!
ここで暴走しちゃったら、今まで積み重ねてきたものが全部おじゃんですよ。
マリア様、入学当初にナニこれマジで百合の世界ってやつですか、うわーとか思ってゴメンなさい。私が間違っていました。
仏様、遠くまで足を運んで拝みに来たのに大雪で足止めの挙句、他宗教の女子高に通わせるなんて、ホントに御利益あるんですか?なんて思ってゴメンなさい。
私が間違ってました。御利益満載です。
乃梨子は改心いたしました。
だからマリア様に仏様、この状況に耐える精神力と、この状況を打破しやがる誰かをお遣わし下さい。
訂正。
打破しやがる、ではなく、打破して下さるです。
決してこの状態が少しでも長く続けばいいなぁなんて(理性が)考えてるわけではありません。(本能が)感じてるだけです。
Don’t Think ! Feel ! なだけです。
ん?
そういや確か部活前に薔薇の館に顔を出した瞳子が、帰りにもう一度寄りますからそれまでお姉さまのお相手よろしくお願いしますわねなんて言ってたっけ。
なら、しばらくすれば瞳子がやってくるはず!
それまで耐えるんだ。
じゃないと白薔薇さまと紅薔薇さまに挟まれて鼻血ブーした桃色薔薇さまなんていう卑猥な称号を獲得してしまうことになるぞ!!
いやー、紅と白が混ざっちゃって・・・なんて言い訳が通じるほどリリアンは甘くないぞ!!
乃梨子は一人、この幸福エンジェルズに抗うために戦うことを決意する。
しかしこの戦い、孤軍奮闘ではあまりに心許ない。
なのでマリア様と仏様のお力をお借りするべく、まずはめでたし聖寵と般若心経を諳んじることにしようと思う。
救いの光が差し込むその時まで・・・
なお予定通りに瞳子が薔薇の館に現れたことによって祐巳指導のもと、二条乃梨子がトリプル萌えサンドにされるまで、後30分。
彼女が桃色薔薇になったかは定かではない。
おしまい
【 あとがき 】
読みづらいかもしれませんが読んで頂けたのなら嬉しいです。誤字脱字等ありましたらお許し下さい。
(コメント)
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