がちゃS・ぷち
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No.2590
作者:通行人A
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2008-04-07 05:48:08
萌えた:1
笑った:4
感動だ:3
『桜咲くたたかえ!乙女たち』
ケロロのクロスです。
【No:2525】→【No:2580】→【No:2583】→【No:2584】→【No:2586】→【No:2589】の続編です
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7.マリア祭
祐巳「マリア様のご加護がありますように」
祐巳が1人1人にそう言いながら、メダイをかけていく。
次はいよいよ私の番
祐巳「マリーー」
祐巳が言いかけたその時
瞳子「お待ちください!」
祐巳の言葉を遮るように、突然私の背後から、その声はあがった。
瞳子「乃梨子さんに白薔薇様からおメダイをいただく資格などありません」
祥子「これはどういうことなの。えっと・・・・瞳子・・さん?」
瞳子「聞いてください、紅薔薇様。もう瞳子、我慢できなくて」
令「今、乃梨子さんにはおメダイを受け取る資格がない、と聞こえたようだけれどー」
瞳子「そうなんです、黄薔薇様」
瞳子は、いつもの調子で、紅と黄2色の薔薇様の注目を惹きつけることに成功した。
もう1人の薔薇様、白薔薇様こと祐巳を見ると祥子さまを見てるこっちが怖いくらいに睨んでいた。
瞳子「あなたには、こちらの方がお似合いよ!」
そう言って差し出したのは、今日返そうと持ってきていた数珠だった。
瞳子「これは乃梨子さんの物ね?」
瞳子さんは勝ち誇ったように告げた。
祥子「どうなの、乃梨子さん。瞳子さんが言うように、これは貴女の物なの?」
乃梨子「違います」
祥子「マリア様に誓える?」
乃梨子「もちろん」
私は、胸を張って答えた。
祥子「じゃあこれ、捨てちゃってもいいわね?」
乃梨子「えっ?」
祥子さまは数珠を令さまに投げ、令さまはそれをキャッチすると、お手玉のように投げて弄んだ。
祥子「あなたがこの数珠の持ち主でないなら、どうなったて構わないでしょう?」
返してほしくば認めろというわけか。
乃梨子「じゅーー」
私が数珠を持ってきたことを認めようとしたその言葉を遮るように、真横から声がした。
祐巳「その数珠の持ち主は私です、紅薔薇様。」
祐巳以外の山百合会のメンバー+瞳子「えっ?!?!?!?!?!!??」
祐巳「ちゃんと申出たのですからこれは返してもらいますね。黄薔薇様」
祥子「し、白薔薇様、説明してくれるわね?」
祐巳「なんのですか?」
祥子「だから、なんで数珠を持っているのかって言っているのよ。」
祐巳「言ってないですよ。
まあいいですけど。
その数珠は正確には私ではなくて弟の祐麒のものなんです。
弟は仏教の学校である花寺に通っているので家にあるんです。
私がそれを借りて乃梨子に貸したんです。」
祥子「あなたがなんで持っているかはわかったわ。
でもなんで乃梨子さんに貸したのかも説明して頂戴。」
祐巳「それはお答えできません。
そこまでプライベートな内容をそこまで話す必要はないでしょう。
そんなことは後でいいでしょう。」
祥子「そ、そんなこと?」
祐巳「ええ、それよりいつまで皆さんを立たせたままにするつもりですか?
次は乃梨子だったわよね?
それと、瞳子ちゃんもまた並びなおすのはめんどくさいでしょ。
はい、マリア様のご加護がありますように。」
乃梨子・瞳子「は、はぁ」
そう言って祐巳は私たちにメダイを首に架け、儀式に戻った。
祐巳が強制的に終わらせたので、他の2人もしぶしぶ儀式に戻った。
マリア祭も終わり、山百合会のメンバー+瞳子だけがお聖堂に残っている。
祐巳「はい、志摩子さん。」
そう言って祐巳は数珠を志摩子さんに渡した。
志摩子「祐巳さん知ってたの?」
祐巳「うん
乃梨子を小寓寺に送ったとき、
和服の志摩子さんが住職の家に『ただいま帰りました』って入って行くの見てるし、
乃梨子がその数珠をニヤニヤと眺め始めた日もその前日も遅くまで山百合会で帰りが遅かったから、
帰りに寄るのは無理でしょ。
で、ニヤニヤし始めた日、志摩子さんと2人であとから来たでしょ。
いつもその数珠入れてた巾着袋を持って。
だから。
あ、それとお芝居邪魔したのは、乃梨子をさらし者にしたのと志摩子さん傷つけた仕返しかな。」、
祐巳には全部お見通しだったようだ。
祐巳ってよく人を観察してるなぁ
祐巳「それじゃあ2人を傷つけた罰として後片付けと掃除よろしくお願いしますね。
私は、傷ついた2人を慰めないといけないので、
2人は、私に慰められないといけないので帰りますので。」
慰められるのは決定なのね。
祥子「なにいってるの、祐巳、あなた達も手伝いなさい!!」
いつの間にか、祥子さまが祐巳を呼び捨てにしていた。
祐巳「可哀想に志摩子さん、お姉さまである紅薔薇様に傷つけられて、癒す間も与えてもらえないなんて。
姉妹解消されても知りませんよ?」
祥子「うぐっ」
志摩子「祐巳さん確かに乃梨子ちゃんを責められてるとき考えてなかった訳じゃなかったけどそれは・・・」
祥子「しまこぉ」
うわっ、こんなに動揺した祥子さま始めて見た。
祐巳「それじゃあ、ごきげんよう。」
私たちはそう言って出て行った。
乃梨子「お姉さま、出てきちゃって本当によかったんですか?」
祐巳「いいの、いいの、たまには、いい薬になるんじゃない?」
志摩子「そうよ、乃梨子ちゃん、たまには、・・・ね。」
この2人だけは絶対敵に回さないようにしよう。
→【No:2592】へ続く
(コメント)
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