がちゃS・ぷち

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No.2487
作者:通行人A
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2008-01-18 00:22:00
萌えた:1
笑った:0
感動だ:3

『縦ロール』

ひぐらしのなく頃にのクロスシリーズです。
aD2477→aD2479→aD2481→aD2482→aD2484の続編です。
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6.心に秘めた思い(瞳子視点)

 高等部に上がり私は、祥子お姉さまに連れられて薔薇の館に来ていた。
 どうやらあの人は、まだ来ていないようだ。
 あの人は、私のことを覚えてないだろう。
 あの人に初めて会い、興味を持ったのは中等部の2年生の頃だ。
 あの頃から私は、あまり変わってないと思う。
 人付き合いも苦手。
 プライドも人一倍高くて自覚してるものの、未だに直せないまま。
 松平の名に媚を売る取り巻きはいても、友人と呼べる存在はいない。
 変わったとすれば、あの人を独占したいと思うようになったことと、ストレートだった髪を縦ロールにしたくらいだろう。
 数えるほどしか会っていないが、あの人はいつも私に松平瞳子ではなく、ただの瞳子として、接してくれた。もっとも私が松平の家の人間だと言っていないが。
 気になって私は遠巻きであの人を見ていた。
 思ったとおり、あの人は、家柄とかで人を判断するような人間ではなかった。
 あの人の魅力はぱっと見ではわからない。
 だから、私はたかをくくっていた。同級生ならともかく、接することの少ない上級生とスールを結ぶほど親しくなるはずがないと。
 だが去年の10月思わぬ形であの人がスールを結んだことを知った。
 結んだ相手は私が昔から姉のように慕ってた祥子お姉さまだった。
 祥子お姉さまはあの人とスールを結んでからというものあの人とのノロケ話ばかり聞かされた。
 話を聞くたびに、私の胸は締め付けられる思いがした。
 そして、私は、あの人のスールになる事に戸惑いを感じた。
 私にとってあの人も祥子お姉さまも二人とも大切な人だ。
 もし私があの人とスールを結んだら、きっと私はあの人を独占しようとして、二人を傷つけることはめにみえている。
 だから私は賭けをした。私が祥子お姉さまに抱きついて、祥子お姉さまが、いつものようにはっきりと離れるように言うか、あの人が私にくってかかるかしたら、二人の絆が壊れることはないだろう。私はあの人の妹になるために全力を出そう。
 もし、賭けに負けたら、私は、身を引きあの人にふさわしい人がスールになるのを見守ろう。
 ただその時は、もう少し意地悪をするのを許してほしい。この私が身を引くのだから。
 そして、私は、賭けに負けた。
 走って部屋を出るあの人に私は、誰にも聞こえないくらい小さな声で、

瞳子「傷つけてごめんなさい。祐巳さまのことが好きでした。」

 と言った。
 そして少しでもプライドを、捨てることが出来たら理由を話し、誤りに行きます。
 そしたら、あの人は怒るでしょうか?呆れるでしょうか?
 それとも笑ってくれるでしょうか?
 何にしても『祐巳さまにふさわしい妹が見つかりますように』
そう願いを込めて私は、祐巳さまが出て行ったビスケット扉に向かって、頭だけ下げて礼をした。


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