がちゃS・ぷち

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No.3854
作者:奏葵
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2016-06-15 00:41:30
萌えた:8
笑った:0
感動だ:8

『希望をもたらす者』

マリア様がみてるif
  太陽と聖女

【No:3853】の続きです

入学式から2週間が経った。
早くもスールの契りを交わす生徒など活発に動く生徒もちらほら見受けられるがもともとリリアンはのんびりとした校風であるため持ち上がり組が大半を占める新入生たちも落ち着きつつある。
部活動に関しても中等部からの持ち上がり組が先輩の誘いでそのまま同じ部活を続けることが多く、まして大学のサークルのような勧誘はない。

大体の生徒がこれからの習慣になるであろう行動を開始しようとしていた。

そしてここ、お御堂の放課後でもまたこの2週間で恒例になりつつあるやりとりが行われようとしていた。

栞がお祈りしている間、入り口付近で待っている祐巳の背後に足音無く忍び寄る一つの影。
次の瞬間

「ゆ〜みちゃん!!」

「ぎゃう!!」

後ろから抱き付かれる。

「あはは、怪獣の子供ゲット〜♪」

「うう〜、聖さま、また抱き付いてきた。やめてくださいよ〜」

「う〜ん、却下」

「うわっ、即答だ」

「だって祐巳ちゃん抱き心地最高なんだもん。このぷにぷに感はリリアン一と言ってもいい」

「あんまり褒められた気がしません」

「あはは、褒めてるよ〜、それも最上級に」


聖からすればじゃれあってる、祐巳からすれば遊ばれている中、お祈りが終わった栞が近づいてきた。


「ごきげんよう、聖さま」

「やあ、栞」

フランクに片手を挙げてあいさつに応える。
片手が挙がり逃げ道ができたその隙に逃げ出す祐巳。

「あ〜あ、逃げられちゃった」

「うう、ひどい目にあった」


こんなやり取りをしているが去年までの聖を知っている人が見たら彼女の変化には目を瞠るだろう。
去年までの聖はやさぐれていた。
それこそ手がつけられないほどに。
まったくと言っていいほど周囲には心を開いてなかった。
例外は彼女のグランスールである現白薔薇さまと水野蓉子ぐらいだろう。
その聖が心底楽しそうに笑っていることは考えられないことであった。


栞が合流したことで今日もお御堂のベンチに座り座談会という名の駄弁りが始まった。
まわりからすれば他愛のないおしゃべりだが聖にとってはリリアンに入学して以来、疎外感をもって過ごしてきていたのでこの時間が唯一安らぎを得られる貴重な時間であった。

駄弁りも佳境にさしかかりもうすぐ下校の時間になる、そんな中疑問に感じる会話があった

「そういえば祐巳、おば様から贈答用のお菓子を買ってきてって頼まれたから帰りにメープルパーラーに寄るわね」

「うん、わかった」

何気ない会話であったが普通であれば頼まれるのは祐巳であるはず、いくら栞がしっかりしているとはいえ祐巳が知らないのは明らかにおかしい。そう思い疑問を口にした。

「あれ?栞が頼まれたの?祐巳ちゃんのお母さんから?」

「あ〜、それはですね・・・。」

珍しく口ごもる祐巳ちゃん。あんまり聞かれたくないことだったのかな?
祐巳ちゃんがチラリと栞のほうを見た。
それに応えるように栞が口を開く。

「私は祐巳と一緒に住んでいるんですよ」

少し勘違いされそうな答えを返した。

「ええ!?同棲!?」

案の定勘違いした聖。

「違います」

こんなところだけは冷静な祐巳。

「正確に言いますと幼少の頃に両親を事故で亡くしたんです。それで母方の叔父である祐巳のお父様に引き取られまして、それ以来福沢家に住んでいるんです」

「あ、ごめん無神経なことを」

「いえ、気にしないでください。事故だって随分前のことですし、もう引きずってませんから」

そう言いつつチラリと祐巳を見て微笑む栞。

「ああ、なるほどね。ふふっ」

その微笑みの意味を理解し自身も笑う。

「なんで2人とも私を見て笑ってるの?」

1人理解できず狼狽する祐巳。

「「ひ・み・つ」」

絶妙なタイミングで口を揃えはもる2人。

「え〜、教えてよ〜」

夕焼けに染まりつつあるお御堂に祐巳の声がこだました。



(祐巳ちゃんは太陽。こんな私でも照らしてくれる。祐巳ちゃんや栞との出会いをマリア様が導いてくれたのなら少しは信仰してもいいかな)
かなり不遜なことを考えている聖だった。




3人が帰ったあとお御堂に1人の生徒が入ってきた。

現金な部分があるものの確実に変わりつつある聖を遠くから見守る影でもあった。
マリア様の前まで進んできて願いに近い祈りを捧げる。
(どうかあの子がこれからも良い方向に向かいますように、マリア様見守っていてください)

その人物は生徒の間ではこう呼ばれている。

<<白薔薇様>>


=====================================
[あとがき]
続き書いてみました。
とりあえず3人の日常の一コマです。
次からは登場人物を増やしていこうと思います。


(コメント)
みかん >しんせんでした、この小説のシリーズ物を希望します(No.77013 2016-06-18 11:06:56)

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