がちゃS・ぷち
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No.3885
作者:ヘススナバス
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2018-10-20 00:10:35
萌えた:1
笑った:0
感動だ:1
『諦めるのはまだ早い』
【No:3884】の続き
マリみてと城下町のダンデライオンのクロス的な何か。
季節はすっかり冬になり私も多少は薔薇の館に慣れたある日。
「クリスマスパーティーをするわよ!」
黄薔薇様がそう宣言をした。
どうやら山百合会ではクリスマスにパーティーをするのが慣習らしい。
「飾り付けは私たち、まあ今日は聖いないけど聖もこっちでいいでしょう。令は祥子と料理を頼むわ。1年生はそうねぇ…余興を用意して頂戴!」
黄薔薇様がなんかとんでもないことを言い出したぞ…私何にも余興なんてできないよ!
志摩子さんも困った顔をしている。由乃さんは…あ、なんか悪い顔をしてる。なんか嫌な予感が。
「はい、それじゃあ今日は解散!」
紅薔薇様がそう言ってみんなぞろぞろと帰り支度を始めた。
余興かぁ…祐麒や茜ちゃんたちに相談してみようかな。
「ふふふ、祐巳さんお困りですかな。」
「由乃さん何か企んでる?」
「まあね。志摩子さんも聞いてちょうだい。余興については秘策があるのよ。」
「秘策?」
「そう!これよ!」
由乃さんが取り出したのは1枚の紙だった。
「えーと米澤紗千子&桜庭ライトのユニット、サーチライトのデビューシングル発売?」
志摩子さんがそのCDに書かれている文字をそのまま読んだ。
あーそういえば光ちゃんがさっちゃんとユニット組めるって喜んでたなぁ。
「そうよ!これを志摩子さんの伴奏で私と祐巳さんが踊るの!これでいきましょう!」
なんか由乃さんは暴走モードらしく私と志摩子さんには断れる余地はなかった。
私が光ちゃんのパートで由乃さんがさっちゃんのパートらしい。
その帰り道、珍しい組み合わせの人たちにあった。
「あれ?祐巳ちゃん今帰り?」
そこには葵様、栞ちゃん、それに白薔薇様がいらっしゃった。
「ロ、白薔薇様!?なぜここに!?」
「いやーかわいい子が猫と話してると思ったら栞ちゃんでね。葵さんを待ってるって言ってたから一緒に待ってたんだよ。」
「そこに私が合流してここまで一緒に来たってわけよ。」
葵様がそう続けた。
栞ちゃんはソウルメイトという能力でありとあらゆるものと会話できるのだ。
「いやー栞ちゃんはかわいいね!選挙の時はお姉さん栞ちゃんに投票しちゃおうかな。」
まるで酔っぱらいのおじさんだ。
「大丈夫栞ちゃん?白薔薇様に変なことされなかった?」
白薔薇様から栞ちゃんをひったくって栞ちゃんを抱きしめて聞いた。
「ゆ、ゆみお姉さま苦しい…」
おっといけない。つい興奮してしまった。
「ゆーみーちゃーん!先輩に向かってなんてことを言うのかな?」
白薔薇様はそう言ってわたしのほっぺたを両手でつねった。
「い、いはいれす…」
「ほっぺたもなかなか気持ちいもんだね。」
うぅ…ひどい目にあった。
「聖さまは優しくしてくれたよ。あの子もそう言ってたし。」
「あの子?」
「中庭にいるあの猫の事よ。」
葵様がそう言っていつも中庭にいる猫のことを思い出した。
「あ、ランチのことですね!」
「1年生の間ではそういう名前なんだね。」
「聖さんはゴロンタって呼んでたわよね?」
「そうだね。2年だとなんだろう?」
「奏はペペロンチーノって呼んでたわよ。」
「何そのネーミング!」
そう言って白薔薇様は笑った。なんか山百合会以外の人と談笑している白薔薇様珍しい気がする。
「それじゃあここでお別れして帰ろうかな。みんなごっきげんよう。」
そう言って白薔薇様は帰って行った。
「じゃあ私たちも帰りましょうか。」
そうして私たちも帰ることにした。
「あ、そうだ!今日光ちゃんいるかな?」
「多分いると思うけど何か用事?」
「うん、実は…」
今日合ったことを葵様と栞ちゃんに話した。
「由乃ちゃんも面白い子ね。そういう事なら光に教えてもらうといいわね。」
「というわけなんだけど光ちゃん頼めるかな?」
「うん、いいよ。ふふふ、あたしのことを先生と呼びなさい!」
「ありがとう!光先生!」
「しかし祐巳も変なことによく巻き込まれるねー」
茜ちゃんがぐでーっとしながら言った。
「まああそこが変な人の集まりだから当然と言えば当然ね。」
かなちゃんがアイスを食べながらそう言った。
「変って…」
私は苦笑いするしかできなかった。
「確かに山百合会は一癖も二癖もありそうだな。みんな美人だけど。」
修くんが腕を組みながらそう言った。
私的には櫻田家も負けず劣らず個性的だと思うけどかなちゃんが怖いので言わないでおこう。
とりあえず一回踊ってみることにした。
社交ダンスも経験したし何とかなるはず!
その結果は…
「そんなに爆笑しなくても…」
「いやいや!これはあの紅薔薇さまだって大爆笑よ!」
茜ちゃんがお腹をかかえながら笑っている
「余興なんだしこのままでいいんじゃない?」
かなちゃんが顔を机に突っ伏したまま言った。目を見て言いなさいな!
「ゆみ姉これはなんかの儀式にしか見えないって!」
途中で帰ってきた岬ちゃんにもそんなことを言われた。
「輝君!輝君はどう思った!?」
私は一縷の望みをかけて輝君に聞いた。
「ジャッカル落ち着け!あれは悪魔じゃない!」
輝君の特殊能力はリミットオーバーというとてつもないカイリキになれるというものだ。
しかしまだコントロールが難しいらしく母である五月さんにむやみに使わないように言われているらしい。
ちなみにジャッカルというのは右手のことで祐麒が言うには中二病というやつらしい。
ていうか私は悪魔に近いものに見えてたんかい!
「ゆみちゃん…」
「光ちゃん…」
そう私には先生が!
「さすがにこれほどひどいとは思わなかったよーこれはきついかも。」
「え?」
非情な通告がなされたけど諦めるのはまだ早い!ってことで私はがんばります…ダメだったら由乃さんに任せよう。
そんなこんなでいつの間にかクリスマスのパーティーまであと3日になった。
私の余興の方は踊っている本人である光ちゃんのおかげで及第点になった。
今日の昼休みにこっそり由乃さんと合わせたがなぜか由乃さんのキレがものすごかった。
令様にあとで聞いたのだが二人で特訓したらしい。由乃さんに付き合わされる令様も大変だ。
そう思っていたのが顔に出たのか令様は「大変だけどこうやって二人で何かできるってのはすごくうれしいんだ。」っとおっしゃっていた。
手術したからこそできることだから令様の喜びもひとしおだろう。
私もお姉様と二人で何かしたいなぁ…さすがにさっちゃん役で踊ってもらうわけにはいかないけど。
そんな日の放課後、私にとって忘れられない忘れてはならない出来事が起こった。
(コメント)
bqex >投票ボタンに当てはまる感情がなくて困る。『尊い』とか『癒される』とか欲しいなぁ。続き待ってます。(No.77413 2018-10-22 22:17:57)
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