ゴンドラ通りまーす何か今通りましたねああ、青春のゴンドラ No.2851 [メール] [HomePage]
作者:bqex
投稿日:2009-02-25 17:14:17
(萌:1
笑:9
感:1)
ARIAご存知ですか?
火星に集うゴンドラ漕ぎたちが今日も天使のような無垢な笑顔でため息橋をくぐりぬけていく。 汚れを知らない心身を包むのはウンディーネの制服。 スカートの裾は乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと漕ぐのがここでのたしなみ。 ネオヴェネツィア、ここは乙女たちの水路。
志摩子「偶然って恐ろしいわね」 乃梨子「選んだんじゃないんですか?」 志摩子「あらあら、本当に偶然なのよ。このキーワード」 乃梨子「で、今はどのような状況なのでしょう?」 志摩子「乃梨子はMARIAカンパニーのつぼみ(見習い)で、私は三大妖精の一人でロサ・ギガンティア。あなたは姫屋の瞳子ちゃんとフェティダプラネットの菜々ちゃんと一緒に薔薇さま(一人前)になるために毎日練習してるのよ」 乃梨子「姫屋だけはそのまんまなんですね」 瞳子「乃梨子ー」 志摩子「ほら、瞳子ちゃんが迎えにきたわよ」 乃梨子がいくと瞳子、菜々、そして祥子がいた。 乃梨子「あれ、なぜロサ・キネンシス?祐巳さまじゃないんですか?」 瞳子「祐巳さまならちゃんとこちらに」 瞳子はタヌキにしか見えない猫を指して言った。 乃梨子(私、人間役でよかった……) 祥子「ちなみに私は姫屋所属の三大妖精で薔薇さまって設定だから、よろしくね」 乃梨子「はあ」 祥子「では、今日は3人に私が指導してあげるわ」 志摩子「いってらっしゃーい」
祥子の指導でゴンドラを漕ぐ3人。そして夕方近くになった。 祥子「この季節、私たちウンディーネにとって最も難しい時間帯がやってくるわ。潮が満ちてきて水位が上がり、橋の下が通れなくなる場所がいつもの倍増えるのよ。薔薇さまでも完全に把握するのは難しいわ」 祥子「そこで、今日一日の締めくくりとして私を無事目的地まで届けてみせるように」 乃梨子・瞳子・菜々「はい!」 潮が満ち、4人を乗せたゴンドラはあっというまに立ち往生してしまった。 瞳子「乃梨子、こっちも通れない!」 乃梨子「そっちは?」 菜々「こっちはでっかい行き止まりです!」 瞳子・乃梨子・菜々「どうしよう……」 祥子「いいこと?薔薇さまになったら誰もフォローしてはくれないのよ?自分たちのミスは自分たちでなんとかなさい!」 動ける範囲で移動する3人、ふと菜々が気付いた。 菜々「乃梨子さま、瞳子さま、わずかですがこっちから水の流れが……この扉の向こうです!」 扉を開けると真っ暗な建物に続く水路。 乃梨子「今はお客様のためにできるベストを尽くそう。瞳子は私の指示通り漕いで」 瞳子「わかったわ」 進んでいくとさらに扉が…… 菜々「失礼します」 菜々が扉を開けると大きな水路に出た。 乃梨子「やったあ!」 瞳子「出られましたわ!」 菜々「でっかい脱出成功です!」 夕日が沈み、夜になった。 祥子が3人にピザを勧める。真っ先に飛びつく祐巳。 祥子「どうしたの?祐巳にみんな食べられてしまうわよ」 瞳子「あの……」 祥子「あなたたちはもう反省しているじゃない。本気で頑張って本気で反省している人を叱っても無意味だわ。さあ、召し上がれ」 乃梨子「いえ、そうではなくて……これ、Lサイズですよね?ピザハットとのキャンペーンのピザはMサイズですよ」 すわっ! 菜々「そんなオチですか……」
続きません。
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