「寒いね、瞳子ちゃん」
「ええ、寒いですわね。」
「ねえ、いやじゃなかったらもっとくっついて欲しいんだけど?」
「べ、別にいやじゃ有りませんけど・・・」
祐巳は近づいてきた瞳子をぎゅっと抱きしめた。
「うヒやあああ〜〜〜〜〜」
がばっと身を翻す瞳子、暗さゆえ判らなかったが、顔は真っ赤
「やっぱり・・・ いやなんじゃない・・・」
「す、すみません、そんなんじゃないんです・・・」
「じゃあ・・何?」
「何でも・ありません・・・」
「そう・・・」
「瞳子ちゃんは 私を、嫌い?」
「な!なんで!そんな質問になるのですか!!」
「だって・・・ ロザリオ・・・ 」
「そ、それと、これ、とは、別な、問題、です・・・」
「 そ、そう、なんだ・・・ 」
「月 綺麗だね。」
「ええ、星も綺麗ですは。」
「寒いね・・・ 瞳子ちゃん」
「寒いですわね、祐巳様」
2人は自然と寄り添り合い、ぎゅっと抱き合い身を固めた。
2時間前
薔薇の館での新年の挨拶が終わり皆で『大掃除第2次会』を行っていた、これはクリスマスパーティー後、色んなゴミなどが出るが其の時は皆
楽しい気分でいたいため新年になったら改めて片付けましょう、てなことである、なんとも怠惰な行為だが今は冬、残り物の食べ物も腐ることも無いため
それぞれも何も言わず黙々と作業をしている。
「あ! ねえ、これ令ちゃんが付けてたひげメガネ」
「由乃、ちょっ、ちょとお願い、やめて!本当にやめて!」
「え〜〜〜 なんで〜〜 すごく可愛かったのに〜〜 ね、乃利子ちゃん?」
「へ? ああ・・・ はい! とっても可愛かったで・・・す・・・ 」そのままお腹を抱え、声を殺しつつ大爆笑。
「乃利子!!失礼ですよ。」「で、でも志摩子さん・・・ププ!」
由乃は同じくお腹を抱え、乃利子、その背中をバンバンと叩いている。
うう〜〜 由乃〜〜
こんな、わきあいあいの大掃除の中、一箇所、どよ〜んとした空気の塊があった。
「ねえ、 と・・ 可南子ちゃん、ちりとり取ってもらえる?」
「あ、はい私ですね?」
「ええ、そうよ、ごめんね、使っちゃて。」
「祐巳様、そ、その・・ と」
「可南子ちゃん!! お願い。」
「 ・・・は い 」
何なの? 何なのこれは・・・
私は祐巳様のこれほどの悲しみを、辛さを感じたことは無かった、自分勝手だが私には昔、祐巳様を悲しませることが在った、自分の理想を勝手に押し付け、あまつさえその理想にそぐわなかった祐巳様を一方的に非難した、でも、でも、祐巳様は私を許してくれた、なにも無かったように普通に接してくれる、天使の様な祐巳様、だから、だから、祐巳様には笑顔で居て欲しい、笑顔じゃなきゃいけない!!
瞳子さん、私は確信した、悔しいけれど祐巳様の一番輝かしい笑顔を作れるのは・・・ 貴方なのよ・・・ ホントに・・ 悔しいけれど・・・
「まったく・・・重症ね・・・」
「ホントに、祐巳ちゃんと瞳子ちゃん、お互いに好き同士なのになんでこうもすれ違うのかしら?」
「令・・・ 祐巳を一番愛しているのは誰か、解っているわよね?」
「はいはい、解ってますよ、うーん、でもなんで冒頭の2人っきりの場面に行かないの?ちょっと気になるんだけど?」
「作者が眠いんでしょ!! せっかく くま一号さんがエールをくれたって言うのに!!」
「ええ!!そんな〜〜!! ていうか! この人に復帰記念で続き物かけるの? ただでさえ残ってるのに!!」
がんばります・・・