【1132】 (しょぼん)心を吹く風  (ROM人 2006-02-15 13:01:33)


『午前0時をお知らせします』
ラジオが2月14日の終わりを告げた。

祥子は今年も忘れている。
もしかしたら、祐巳ちゃんあたりが思い出してくれるかなぁーなんて少しは思ったけれど、
電話もチャイムも鳴ることはなかった。
リリアンを離れ、共学の大学に進んだ私はもしかしたら渡す立場だったのかもしれない。

いやね、私泣いてなんていないわよ。
目が、ちょっとだけ汗をかいてるだけ。

♪〜

あっ! 携帯にメールが!?
祥子……やっと思い出してくれたのね!


『おっす、蓉子元気? ふふふ、じゃーん。 志摩子からおいしそうなチョコレートケーキが届いたんだ♪〜』


_| ̄|○……聖からだった。
しかも、ご丁寧にチョコレートケーキの写真が貼付されている。
自慢かよ! 惚気かよ! ウワァァァンヽ(`Д´)ノ!!




……そして、去年は一日遅れで届いた祥子のチョコレートだったが、今年はついに3月になっても届かなかった。
完全に忘れられちゃったみたい。
あんなに「お姉さま、お姉さま」って言ってくれていた祥子が懐かしい。
祐巳ちゃん……ちょっとでいいから私に祥子を返して………。
ほんの少しだけでもいいから……。


私の枕は何故か今日も濡れている。
……だから、泣いてないんだってば。


******************
お久しぶりです。
名前の通り、最近はROMオンリーです(笑)


一つ戻る   一つ進む