【1195】 走れ!必然的1000%  (Y. 2006-02-27 21:54:28)


逆行ものでございます。

【No:1021】→【No:1025】→【No:1069】→【No:1150】→【No:1165】→This.






「あのー、白薔薇さま、一体どこへ行くんですか?」
「ん? イ・イ・ト・コ・ロ・だよ、祐巳ちゃん。着いたらお姉さんとキモチイイことしましょ〜ね〜」

 聞いた私が馬鹿でした。
 祐麒、あんたと出かけたとき男にぶつかるとびくびくしてたの何でかわかった気がするわ。
 きっと、いや十中八九向こうにも白薔薇さまと同様な人物がいるのね。
 ・・・・・・同じように生徒会の人ではないことを祈るわ。
 お姉ちゃんは向こうの世界に行っちゃうかも知れないけど、あんたは来ちゃダメよ。
 私も白薔薇さま相手じゃ流石にどうにもならないと思うから。

 と、現実逃避している間に、来ちゃった。
 何だかアパートみたいだけど・・・・・・

「もしかして、ここって、白薔薇さまのお宅ですか?」
「ううん、知り合いのおうち。あれ? まだだっけ?」

 いや、知らないのに知り合い? まさかスとトとカと伸ばし棒が二本ついている人じゃないですよね?

  ピンポーン

「はぁーい・・・・・・って、あなた誰?」

 やっぱり知らない人おおぉぉぉーーーー!!!

「あれ? カトーさんは還ってきてないんだ、残念。・・・・・・じゃ、祐巳ちゃん行こっか」
「た、助けてください・・・・・・」

 でも、この際この人ならきっと大丈夫! と思ってやけっぱちにSOSを出してみた。

「ゆ、誘拐!!」

  ぎゅんぎゅんぎゅんぎゅん

 あー、この状況だとそうなりますね、でもその音は何でしょう?
 また例の嫌な予感。
 私の平穏を返してマヂで。
 私は平凡だけがとりえなんだから。

 で、目の前の人は北斗神拳を繰り出すかのように手を大きく回して円を描き、右手は眼鏡に、左手はズボンの・・・・・・チャックーーーーーー!!!???

  ピカーーーーーーッ

 眼鏡からのまばゆい光が私たちの目を焼く。
 ようやく目が慣れてきたと思ったら、目の前には水着のお姉さんがいた。

「佐藤さん、どうしたの? ・・・・・・って祐巳ちゃん!」
「ハァイ、やっと還ってきたようだね、カトーさん」

 は? え? 一体何がどうなって?

「いやぁ、かくかくしかじか・・・・・・」
「まるまるうまうま、というわけね」

 意思疎通成功してるし。
 いったいどこの地球外生命体ですか。

「それなら仕方ないわ。まずは祐巳ちゃんを保護しないとね。さ、中入って」
「は、はぁ・・・・・・」

 促されるまま部屋に足を踏み入れる私。
 抵抗する前に何事も手遅れな自分が悲しい・・・・・・

「じゃあ私もお邪魔しまぁ〜〜〜す?」

  ガシッ

 後ろを振り向くと白薔薇さまが部屋に入ろうとするのを水着の人がドアを懸命に閉めて抵抗している。

「かかか、カトーさん、どういうことかなぁ〜〜〜?」
「な、に言ってるの、保護するのに佐藤さんは、危険、過ぎるわよ〜〜〜」

 うーん、なかなかシュールだな。

「そんなこと、ないわよぉ〜〜」
「くぅ、この馬鹿力・・・・・・あっ! あそこに美少女がっ!」
「え? どこどこ?」

  バタン

 あ〜、あっけない・・・・・・

「さて、祐巳ちゃん、邪魔な人はもう誰もいないわ。安心してゆっくりしていいわよ?」

 そんな期待に満ちた目で手をわきわきさせながら言っても説得力ありませんっ!
 ドンドン戸を叩く音がするけど、心臓の音も同じくらいドッキンチョ。
 ああぁぁぁ、ここ二階だし密室だし私は制服だし永田議員は馬鹿だしあの人は水着だし・・・・・・
 オダギリさんみたくカードはないけど、どうするよ?




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  バタン

「ウソツキ! 太ったおばちゃんしかいないじゃないか! ・・・・・・って、やられたああぁぁぁーーーーーーーー!!!」

  ドンドンドン

  ドンドンドン

 返事が無い、ただの屍のようだ・・・・・・ってしょうもないことやってる場合じゃない!

「こうなったら仕方が無い、薔薇の館へ行かなくちゃ! くそぅ、無事でいてくれよ、祐巳ちゃん!」





   To Be continued...


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