がちゃSレイニーシリーズです。
このお話は琴吹が書いた「【No:1199】呼びかけたままで」の続きとしてかかれています。
目覚ましの音で目が覚める。
見慣れない部屋に一時混乱するも、ここが祐巳さまの部屋だと言うことを思い出す。
直ぐに胸元に手をやりそこに確かにロザリオが存在していることを確認していた。
祐巳さまの部屋にいるのも、祐巳さまの妹になったことも、夢ではなかった。
そのことにすごくほっとしていると、祐巳さまと目があった。
「おはよう、瞳子ちゃん」
「おはようございます。祐巳さま」
「えへへ………」
祐巳さまは顔をだらしなく緩めながら、祐巳さまは私の手を握った。
握りしめられた手がとても温かく感じて、私も思わず、微笑みを浮かべる。
心の奥底に思い描いていた。でも、それが現実のことになるとは全く思っていなかったことが、現実になっていた。
ぴぴぃ、ぴぴぃ、ぴぴぃ
目覚まし時計が再び鳴き出したのきっかけに私たちは、手を離し、学校へ行く準備を始めたのだった。
バスに乗って、リリアンへと向かう。
祐巳さまは私と一緒に学校に行くのがよっぽど嬉しいのか終始ご機嫌だった。
「祐巳さま。今日は、物凄く機嫌ががよろしいみたいですね」
「もちろん。こうやって、瞳子ちゃんと学校に行けるし、お姉さまにも早く会えるし。そして何より、志摩子さんたちに早く報告したいよ。瞳子ちゃんと姉妹になれましたって。志摩子さんと乃梨子ちゃん、今日は早く来るかな?」
その言葉に、私は固まった。
「あれ? 瞳子ちゃんどうかした?」
私は、その言葉にゆるゆると首を振ると、祐巳さまに、何とか微笑みをかえした。
バスを降りて、校門を通りすぎる。
マリア様の前で立ち止まり、手を合わせ、目をつぶる。
このまま、祐巳さまの妹になって良いのだろうか? バスの中で祐巳さまが白薔薇さまの名前を出した時に、浮かんだ気持ちを反芻する。
私はあの時、白薔薇さまのロザリオをもらってしまったのだ。
それは、例え形式的にでも、白薔薇さまの妹になってしまったと言うことではないだろうか。
ロザリオは、乃梨子さんに返した。
あの時は、ああすることしか考えられなかったから。
でも、学園に残る決意をした今、もっと別のやり方をしなければいけないのではないだろうか。
白薔薇さまが悪意でやっていたなら、ともかく、白薔薇さまは私の心を守るためにやってくれたのだから。
私は、目を開くと、横にいる祐巳さまを見た。
祐巳さまは、私と目が合うとにこりと笑ってくれた。
その笑顔を見て、私は決意をした。
「祐巳さま、お願いがあります」
「え? なに?」
私は首からロザリオをはずすと、祐巳さまの手を取って、それを握らせた。
「これを預かっておいてもらえますか? 今の私には、祐巳さまをお姉さまという資格がありませんので」
祐巳さまはまさに驚愕という表情を浮かべて私を見つめていた。