【126】 ふたりの祐巳と瞳子へ  (くま一号 2005-06-29 22:03:47)


【No:73】の続き
「祐巳さま、わたくしたち、今日はレオタードじゃなくてリリアンの制服姿なんですけど、間違いなく怪盗紅薔薇シリーズなんですよね?」
「そうよ瞳子ちゃん。日没までに怪盗ロサ・フェティダこと江利子様にさらわれた菜々ちゃんを見つけなければいけないのですもの。まさかレオタードで学園内を探し回るわけにはいかないじゃない。」
「由乃さまはどうしていらっしゃるのですか?」
「それもわかんないのよ。由乃さん、欠席してるの。」

「瞳子ちゃん、とうとう作者の元編集者という相方にこの掲示板が見つかって読まれてしまったらしいわ。」
「大変じゃないですか。」
「そうなの。20秒間の冷凍光線を浴びせられた後、『おもしろすぎるからブックマークしておくわ』と言い放って数日後にね。」
「どうしたんですか?」
「ジト目で『キャラクターの特徴がでてない。リリアン言葉にすればいいってもんじゃないのよ。』って。」
「ずいぶん基本的な指摘がきましたわね。」
「でも、自覚してたからねー。一番キャラが違ってるのがわたし。」
「は?」
「わ・た・し、つまり怪盗紅薔薇シリーズの祐巳。」
「はあシリーズなんですかやっぱり。確かにはっきり言ってどう見ても原作の祐巳さまとは別人ですねえ。」
「でもね、それは理由があるのよ。いままでのシリーズネタを言ってみて。」
「えーと、最初がNo.37 で柊さまやみなさんがサンクリで留守の間に票数稼いじゃえ、と言う話。
二つめがNo.59 でその票数が『わたくしたちには萌えがたりない』って暴走する話。
三つ目はNo.73で、柊さまが、がちゃSをcgiにして配布してくださらないかしらとかよけいなことを言ってご迷惑をかけた話ですわ。」
「そうなの。柊さま。あらためてごめんなさい。」
「ごめんなさい。」

「それでね、これって掲示板や絵板とか『がちゃS』そのものにツッコミをいれるシリーズでしょ?」
「そうですわね。」
「現実世界につっこむ、いわばプチ・メタフィクションなのよ、瞳子ちゃん。」
「なんだかよくわかりませんけど。」
「マリみてをネタにした二次創作というより、がちゃSをネタにした三次創作って言ったらいいかしら。」
「そう言われるとそうですわ。内輪ウケとも言いますけど。」
「いいのよ、内輪ウケで。そうするとね、原作の祐巳って本を読む方かしら?」
「うーん、読書シーンはたくさん出てきますけどどっちかというと苦手ですわね。」
「プログラミングは?そこまでいかなくても、ホームページ作ったりする?」
「ぜっっったいしないと思いますわ。乃梨子さんならともかく。」
「小説、SSなんて書くと思う?コミケに行けなかったらリリアンやめます、とか言う?」
「言いませんっ。」
「そうでしょ。最初っからキャラが違うのよ。怪盗紅薔薇の祐巳だけは原作の祐巳ちゃんにならないの。だから、これはここの祐巳、でいいの。」
「ものすごい開き直りですね。それじゃあわたくしはどうなるんですか?」
「ツッコミ役としてはレディGOあたりからの瞳子ちゃんそのまんま、の設定なんだけどねえ、いまいちかわいくないわね。」
「そ、そんな、祐巳さまこそかわいくありませんわ。瞳子授業に戻りますわよ。」
「ごめんごめん、冗談だってば。瞳子ちゃ〜ん。」
「だだだ、だから抱きついてもだめですっ。」

「そうそう、この前コメントで書かれていた続きものの時は前のNo.書きましょうって話。」
「ぶーー。」
「あー、ふくれてるふくれてる、ほっぺつんつん。」
「どうせ、瞳子、かわいくないですっ。」
「後ろからはぐされて、顔、真っ赤にしながら拗ねても効き目ないわよ。で、続きが分かるのはとってもいいと思うわ。なので今後は書こうと思うのよ。」
(そのまんまの体勢で、説明的セリフをしゃべりますか、祐巳さま。)
「本文中にNo.を書けるのって、この三次創作もどきシリーズくらいなのよね。普通はコメントで書いた方がしらけないと思うわ。」
「篠原さまはうまく効果を上げてますよ。」
「あれは、やっぱりがちゃSデフォ設定シリーズだからよ。わたしたちももぐりこんだ、名付けて『1/1マリア観音がフィギュアに・乃梨子は仏師くずれの造形師・聖さまが送りつけた祐巳ちゃん人形は今どこに・シリーズ』」
「長いですっ。ネーミングセンスだけ原作の祐巳さまに似ないでくださいっ!それじゃ2時間ドラマのサブタイトルですよ。」
「『略して1/フ大作戦』」
「どうやって読むんですか。」

「話を戻して菜々ちゃんなのよ。」
「あの、話を戻すなら離していただけませんの?」
「離れて欲しい?」
「だ、だから、瞳子は祐巳さまに抱きつかれたって別になんとも思わな、思わ、ですから離れてくださいっ。」
「やだ。」
「祐巳さまぁ」
「で、江利子さまが、『分かっているわね?これはあなたたちの絆も問われているのよ』とまで言うからには、黄薔薇関連ポイントが要チェックなのよ。」
「そうおっしゃいますが、白薔薇の『講堂裏の桜の木』とか紅薔薇の『古い温室のロサキネンシスの木の前』みたいな劇的ポイントはありませんわよ。」
「そういえば、瞳子ちゃん、あなたは古い温室イベントはないわねえ。」
「これからあるんですっ。あさっての新刊でだってあるかも知れないじゃないですか。」
「そんな泣きそうな顔しなくても大丈夫よ瞳子ちゃん。」
「えぐえぐうるうる。」
「黄薔薇の劇的ポイント、あるじゃない。」
「令さまが由乃さまにロザリオ渡したのは、由乃さまのベッドですよ。」
「そのあとよ。」
「黄薔薇革命は、マリア様の前。」
「惜しい。あのとき由乃さんは心臓手術したのよね。」
「皮膚切って、心臓いじって、」
「核融合エンジン入れた。」
「ちがーう。」
「そんなようなものよ。その時、令さまはじめ他の山百合会全員、どころか主要登場人物全部はどこにいた?」
「あ・・・・剣道の交流試合」
「そう。菜々ちゃんが由乃さまと出会って、そこに江利子さまが立ち会ったのはどこ?」
「翌年の交流試合ですわ。しかも先代から次代、報道陣、桂さん以外の主要登場人物が全員そろってました。まるでオペラのフィナーレみたいに。」
「じゃあ、わたしたちがこれから行く場所は決まったわ。」
「市立体育館!!」
「由乃さんも当然そこにいるわよ。」
「行きましょう!祐巳さま。ずりずりずりっていいかげん離してくださいっ。」
「わーい、瞳子ちゃん真っ赤。」


「つづく。」
「祐巳さま、まだ、引っ張るんですかあ?」
「だって新刊が出るじゃない。ちょっとカンニングしたくなったのよ。」
「祐巳さま、わたくしたち、どうなってしまうんでしょうか。」
「瞳子ちゃん、たとえ新刊でどういう運命が待っていようとも、」
「はい。祐巳さま。」
「わたしたちは、一味の仲間だからね。」
「せめてお友達って言ってくださいー。」


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