【1443】 宣戦布告!はっちゃけよしのんドリル少女  (允 2006-05-04 23:52:45)


【No:1371】の続きです。というか、続かせていいのでしょうか?


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 それに一番早く気づいたのは同じ人を見ている同士だからなのかわからないが、いち早く気づけたことは僥倖だった。床で頭をうつ寸前に助けられたのだから。だからと言って、良かったなどとは思わない。なぜなら彼女は涙を流していたから。その涙を誰にも見られないようにしながら、私は保健室に急ぐ。彼女は同情されることを嫌う。もう既に完治しているとはいえ、心臓に病を持っていたのだ。今まで数え切れないほど同情を受けただろう。彼女はそういうのを嫌うのに。同情をして、可哀想と思われることが嫌なのだろう。普通じゃないと思われたくないのかもしれない。まぁ、想像でしかないが。いや、この私がレンズを通して見ているのだ。そうに違いない・・・・多分。
 由乃さんをベッドに横たえながら考えた。ここで断言できないところが私の弱さかなと。所詮学生カメラマンでしかないと言うことだろうか。プロのカメラマンは写したものの感情や表情、時には心さえも写すと言う。つまり、プロのカメラマンには被写体の心までも見えているということなんだろう。綺麗な写真を撮ることだけで満足してはいけない。伝説の大泥棒のように心まで盗み出し、フィルムに写さなければならない。私はまだその領域に届かない・・・。そのことに気づいたのは祐巳さんのことを撮りはじめて少し経ってからだった。私は、あの琿伸瓩箸い写真を撮って浮かれていたのかもしれない。これで私もカメラマンだと。一瞬の輝きを写真に収める。それができるようになったのだからと。
 しかし、私を待っていたのは大きく立ちはだかる壁だった。満足いくものが取れなくなってしまったのだ。試行錯誤の連続と失敗に継ぐ失敗。綺麗には見えるのだが・・・満足がいかない。天狗になってたんだろう、そしてようやく気づく。彼女の一番綺麗な瞬間はある人物によって引き出されていると。私はそれを盗撮のように撮っているだけだったんだと。
 ショックだった。今までの人生を否定されたような気がした。私はそれを信じたくなくて、あらゆる物を撮った。そうすることで、今までの人生を肯定できるような、そんな気がしていた。そんな想いとは裏腹に私の写真からは私の人生は感じられなかった。そんな時だ。祐巳さんが私の写真を好きだと言ってくれたのは。・・・・・嬉しかった。また写真を撮っていいんだと。そう言われた気がした。それからだ。私の写真は変わっていった。
 いまだ、私は人の内面や感情を、そして心を撮れるわけではない。でもいいんだ。私の写真を好きだって言ってくれる人がいる。だから私はいつものように祐巳さんを撮り続けるんだ。いつかあなたの心が見えるまで。いつかあなたの心を盗めるまで。3代目大泥棒さんのように・・・。いつか・・・。
 





 「起きた?」

 私が目を覚まして聞いた第一声は令ちゃんでもなく、祐巳さんでもなく、蔦子さんだった。そのことを訝しみながらも、多分私をここに連れてきてくれたことに対して礼を言った。しかし、それ所ではないと気づく。気絶する前に考えたこと、それが私の心を締め付けるようで。

 「親友か・・・」

 そう、私には親友も友達もいないんだ。ようやくそのことに気づけた。わたしは普通じゃないから黄薔薇の蕾になれた。可哀想だから令ちゃんはそばにいてくれる。ああ、そっか。わたしは・・・・・・・・【パシャッ】・・・・????


 「その表情いただき♪」


 こいつはぁぁぁぁ!!なんだってこんなときに写真なんか撮るのだろう。私はこんなにも悩んで、悩んで悩んで悩んで・・・。どうだっていい。私には関係ない。どうせ私が許可しなければどこにもだれにも見られる心配も無いんだし。


 「これ、こんどの発表会で展示しようっと♪」

 「はぁ???」

 わけがわからなかった。私の知っている蔦子さんはそういうことをする人ではなかった。だから


 「蔦子さん!!あなたの写真は撮られた本人が許可しなければ誰にも見せることは無いって・・・!!!」

 「ええそうよ。でも、許可なんか必要ないじゃない。」

 「なんでよ!!」

 「あなた、由乃さんじゃないもの。そんな顔してる由乃さんなんて由乃さんじゃないわよ。だからあなたに許可なんて申請しない。風景や置物と一緒だもの。いくら私でも風景や置物に許可申請するほど馬鹿じゃないわ。」

 「・・・・・っ!!」

 「どうしてって顔ね?祐巳さんの百面相は有名だけど、由乃さんも大概ね(笑)」


 「違う!!私は祐巳さんみたいになれない!!あんなに綺麗に笑えない!私は・・・私は・・・汚いの!!・・・そう私は汚いのよ。」


 そう私は気づいたもの。私は同情されたくなくて普通じゃないと思われたくなくてそんな自分を誰より、可哀想だと思っていたのは自分だって。そして、そんな自分を隠したくて黄薔薇の蕾や祐巳さんの親友という事を隠れ蓑にしてたって。汚い!なんて汚い自分!私の中はそこらのどぶのヘドロのようにドロドロで見えたものではないのだ。それを、そんな自分を祐巳さんのようなどとは言って欲しくなかった。
 沈黙が保健室を包む。その沈黙が私を責めているようで居心地のわるさを感じるがそれも私に与えられた罰のような気がして黙って受け入れていた。



 「祐巳さんのこと、好きなのね?」



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 はい、長くなるのでここまで〜〜〜。続きはまたーーー。書いて良いのかな?かな??次回ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編・・・・ではありません(笑)

 


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