【1527】 祥子咆哮トラップ発動モノトーンの夏  (七式 2006-05-24 19:35:16)


某月某日、今日は瞳子の家に泊めてもらった。

お夕食はスッポン尽くしだった。
美肌効果があるらしい。

お風呂から上がると、更衣室には替えの寝巻きが用意してあった。
フリフリの黒ネグリジェだった。
でも下着は純白コットンだった。ちょっと可愛い。

瞳子の部屋へ戻ると、扉の前で声が聞こえた。
「っしゃぁぁぁ、ばっちこぉぉぉいっ!」
扉を少しだけ開けて中を窺うと、瞳子が何故かスクワットしていた。
瞳子は元気だね。
部屋へ入る前に、電話を借りてお姉さまをお呼びすることにした。

お姉さまはすぐ、自家用ヘリで駆けつけて下さった。
私を見ると「今夜は眠れナイトっ!」と咆哮された。
詩的な表現ですね、お姉さま。

お姉さまと瞳子の白熱した議論の結果、私たちは川の字で寝る事に
なった。私は真ん中。
枕元にはティッシュと荒縄が置いてあった。何ですかコレ?

眠る前、二人は暗視スコープのバッテリーチェックに余念が無い。
「オキシライドですか、祥子さま。」
「マンガン?話にならないわ、瞳子ちゃん。」
私も一応スタン警棒の電圧チェックをしておく。
ちなみにニッカドだ。
電気を茶色にすると、二人がにじり寄ってくるのが分かった。
私は頭の先まで布団をかぶった。

距離500。
「祐巳、お待たせ。」
「お姉さま、お待たせしました。」

距離400。
全トラップのセイフティ解除。

距離300。
瞳子沈黙。
お姉さま健在。あれを抜けてきますか、さすがです。
ガスマスク着用。

距離100。
私は催涙弾のピンを抜いた。
警棒のチャージは出来てる。勝負です、お姉さま。

次に泊まる時は、志摩子さんと由乃さんもお誘いしよう。


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