がちゃSレイニー【No:1561】後にちょっと乱入モード。
※バッドエンドにはなりませんが、
正当派ながちゃSFANの方には、お勧めできない内容となっていますのでご注意下さい。
「登校してこないかもしれないわ」
「えええ?」
*祐巳はどうする?
1.瞳子ちゃんの家に押し掛け両親の目の前で唇を奪う。
2.瞳子ちゃんの家にえっちないたずら電話をかける。
>3.ふて寝
「いいもん、瞳子ちゃんが来てくれるの待ってるもん……ぐすっ」
祐巳は布団を敷いてふて寝を始めた。
「祐巳さま、何をしてるんですか!」
乃梨子は一生懸命起こそうとする、こんな事をしている場合ではないはずだ。
「だって、どの選択肢も滅茶苦茶なんだもん」
いや、それは確かにそうだがそれでもふて寝はないだろう。
その時、何故か薔薇の館の扉が開いて誰かが走り去る音が聞こえた。
☆
もう、駄目だ。
自分でもわかっていたけど、押さえきれない。
もう、祐巳さまになんて任せておけない。
走り去った少女は、その長身故に銀杏の木の枝を何本も頭でへし折りながら校門を走り抜けた。
瞳子さん、瞳子さん、瞳子さん………。
祐巳さまに任せておけば、きっと瞳子さんのカナダ行きは無かったことになると思っていた。
悔しいけれど、彼女と姉妹になることなんて出来ないから……だから祐巳さまに……。
可南子の頭の中では、黒服のボディーガードに無理矢理抱えられ、
飛行機に乗せられそうになっている瞳子さんの姿がフラッシュバックしていた。
『助けてください〜可南子さ〜ん』
可南子の頭の中では確かに聞こえた。
助けを呼ぶお姫様のような瞳子さんの声が。
連絡網で調べた松平邸を目指して、可南子は走る!
目の前の人達はまるで自分のために道を空けてくれているようだ。(実際は、血走った目で迫ってくる可南子が恐いだけ)
気分はもう、白馬に乗った騎士。
「うぉぉぉぉ〜」
赤信号の6車線を一気に飛び越える。
バスケで鍛えた体力は伊達じゃない。
☆その頃、松平邸。
「すやすや……」
瞳子は祐巳さまの妹になれた幸せで今までの疲れがどっと出て眠っていた。
『ピッ、……聞こえるか、こちら正門。 未確認の物体が高速で接近中……繰り返す未確認の……うわぁぁぁぁぁ』
「どうした? おい、無事か? 状況を報告せよ」
『ピッ、こちら玄関……何者かがもの凄い勢いで……』
「緊急事態だ、みんな玄関に……いや、旦那様と奥様・お嬢様を最優先で保護しろ」
松平邸の警備員達があわただしく急ぐ。
しかし、侵入者は壁をも突き破り、各種武道に長けている警備員達を赤子の手を捻るように床にたたきつけ、そして突き進む。
そして、その侵入者が一つの部屋でピタリと止まった。
その部屋はこの家の一人娘の瞳子お嬢様の部屋だった。
☆
「やっと見つけた……」
可南子がたどり着いた時、瞳子さんはすやすやとかわいい寝息を立てていた。
可南子は起こすのも可哀想なので、そのまま瞳子さんを抱えると再び走り出す。
壁をぶち破る時も、ちゃんと瞳子さんが怪我をしないように。
瞳子さんが起きてしまわぬよう、スカートのプリーツは乱さず光速移動(誤字にあらず)。
警備員達の努力虚しく、可南子は瞳子を連れて姿を消してしまった。
遠くでパトカーのサイレンが聞こえる。
いつも、警察は役には立たない。
翌朝のニュースでは松平邸が何者かに襲われ、半壊。
一人娘がさらわれ行方不明になったと報じられた。
「さらったなんて人聞きが悪いですよね、瞳子さん♪」
可南子はそんなニュースを自宅で見ながら、眠っている瞳子の髪を撫でた。
「……ん? あれ……瞳子は……え? ここはどこ?」
やがて、瞳子は静かに目を覚ました。
まだ、意識がはっきりしないらしく眠たげな目をごしごしやっている。
「私の家、ですよ。」
可南子は瞳子の前でにっこりと笑顔を作って見せた。
「ほ、細川可南子!?」
瞳子は可南子の腕の中から脱兎のごとく逃げ出す。
「もう、そんなに逃げなくてもいいじゃないですか」
可南子はちょっと寂しげに昨日の様子を瞳子に話した。
「それって、思いっきり誘拐じゃ……第一、瞳子は……」
そこまで言いかけて瞳子はふとあることを思いついた。
このまま誘拐されたことにして、カナダ行きを無かったことに出来ないだろうか。
そして、瞳子は可南子と奇妙な暮らしを始めるのだった。
可南子は毎日学校に通い、瞳子は可南子の家でお留守番。
可南子の母は多忙でほとんど家に戻らず、戻ってきても可南子の友達がよく遊びに来て居るぐらいにしか思っていないようだ。
縦ロールを降ろし、髪型を変え、可南子の小学校の頃の服をもらい、
ミニスカートの丈を詰めて、ちょっと長めのスカートにしてもらったりして、少しは外に出たりも出来た。
瞳子は、そんな松平瞳子でない自分のこともちょっとだけ心地よく感じてきていた。
でも、やっぱりリリアンの友人達のことも何となくは気になっていた。
祐巳さまのことも。
☆
窓の外の景色も、最近随分春らしくなってきた。
あれから、どれぐらいの時間が流れたのだろう。
学校に通わないと言うのは結構日付や曜日の感覚を麻痺させるものだ。
それでも、リリアンの制服に袖を通し出かける可南子さんを見ると今日は平日なんだなぁと実感する。
松平邸襲撃の事件も、瞳子が行方不明になったことも少しの間ニュースで話題になっただけだった。
お父様達は今も心配してくれているだろうか。
「ただいま〜瞳子さん」
いつも通りの笑顔で帰宅する彼女にお帰りなさいと返す。
何だかんだで居候している瞳子に彼女は優しかった。
啀み合っていた頃には見えなかった彼女の姿をいくつも見てきた。
今は、そんな彼女の側にいることが心地いい。
「ところで瞳子さん、そろそろ学園に復帰しない?」
「はぁ?」
何を言い出すかと思えば、瞳子がそもそも学園に通わなくなったのは、
あなたが誘拐したからじゃないですかと心の中でツッコミを入れつつ溜息を吐いた。
「ヒキコモリ生活も飽きたんじゃないかと思って」
「だから、あなたが瞳子を誘拐したから瞳子はここに居るわけで、瞳子が学園に復帰したらあなたは」
「逮捕? されないよ。 松平のおじさま達には話付いてるから、とっくの昔に」
「へっ?」
瞳子は、まるで祐巳さまのような間抜けな聞き返しをしてしまった。
「あの事件の3日後に、ちゃんと話は付けておいたの。 大人の都合で瞳子さんを振り回す限り、あなた達に瞳子さんは返しませんってね」
「は?」
「だから、瞳子さんの一方的な家出って事になってるから」
「な、なんですって!?」
目の前の彼女は悪びれる様子もなくそう言った。
てへっとかやってる仕草がちょっと可愛らしいと不覚にも思ってしまったが、それで済む話なわけがない。
「ようやく、向こうがわびを入れてきたのが先月の頭。 でも信用できませんって引き延ばしちゃった」
「か、可南子さん!?」
「さて、問題です。 明後日から春休みです。 3学期の間、ずっと休んでいた瞳子さんは進級できるでしょうか」
可南子さんが悪戯っぽく笑う。
「新学期楽しみね。 絶対瞳子さんには私の妹になってもらいますからねっ」
がちゃSレイニー『瞳子が可南子の妹』エンド
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あー、石投げないでー(爆)
くま一号さんの続きがなかなか来ないからちょっとだけ変な妄想働かせてみただけですよー。
え? 強引?
(以下おまけ)
祐巳「あんな選択肢選べるか(ノ ̄□ ̄)ノ ~┻━┻」
可南子「瞳子さんは私のものです。諦めてください祐巳さま」
祐巳「可南子ちゃん…友達だと思っていたのに」
可南子「女の子は、友情より恋が優先です。(キッパリ)」
祐巳「ううっ、私ってば世界一不幸な主人公だぁーーーーー」
※22:55 おまけをちょびっと修正。素で可南子と瞳子を間違えてしまった(爆)白地図クオリティ(ぉ