がちゃSレイニーシリーズです。
最初から読みたい人はくま1号さんのまとめページか
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このお話は琴吹が書いた「【No:1715】瞬殺の白薔薇」の続きとしてかかれています。
「昨日の言葉は嘘だったのかしら? あの時あなたはなんて私たちに言っていたの?」
乃梨子さんの後ろから聞こえてきた声。それは、いつのまにやってきたのか、細川可南子の声だった。
細川可南子の声は、本当に冷たく鋭く、私の心を突き刺すようなそんな声だった。
きっと、彼女は本当に怒っているのであろう。外から見れば、私の態度が二転三転しているように見えるから。
それは、クラスで昨日のことを何らかの手段で知っている人も、同じような気持ちだろう。
それは、端から見ればきっと祐巳さまを侮辱しているように見えるから。
「私は、姉妹複数人制に反対なだけです。」
可南子さんの問い答えずにわたしは、そう言葉を紡いだ。
あの時の言葉
『たとえ祐巳さまが薔薇さまになれなくても、私と祐巳さまは姉妹です』
その気持ちに今も偽りはない。
だからこそ、今祐巳さまの妹になるわけにはいかないのだ。
そして、もう寄り道は許されない。私は心から祐巳さまの妹になりたいと思っているから。そして祐巳さまが心からそれを望んでくれているから。
「私は、先日白薔薇さまから、成り行きとはいえロザリオをいただいてしまいました。だから、リリアンの常識から言えば、今の私は白薔薇のつぼみというわけです」
だれも、言葉を発しなかった。朝の登校風景のざわめきだけが通り過ぎ、この教室にはいると、そのざわめきはあっという間に沈黙した。
本当にその場所に魔法でもかけられているように。
「私は、姉妹複数人制に反対です」
もう一度ゆっくりと繰り返す。
「今、私が乃梨子さんに預けたロザリオを返して欲しいと言ったのは、そのロザリオを正式に白薔薇さまにお返しするためです。私が白薔薇のつぼみで、乃梨子さんが薔薇の館のお手伝いという、今のゆがんだ状況を元に戻すために必要な手順なのです。わかっていただけますか?」
そう言いながら私は細川可南子の顔をじっと見つめかえした。