【1738】 確信犯くま  (joker 2006-08-01 06:12:46)


「祐巳さま祐巳さま」
「どうしたの? 瞳子ちゃん」
「なんで私達は、またレオタードなんて着ているのですか?」
「それはね、瞳子ちゃん。熊沢さまがなかなか怪盗シリーズを書いてくれなくて出番が無いから、こうしてネタを横「盗」りして復活したんだよ」
「祐巳さま、それは詭弁ですわ。それで今回は何を盗むんですの?」
「……瞳子ちゃんだってノリノリなのに(ぼそっ)」
「と、ともかく!今日は何を盗むんですの!」
「今日は図書館から防衛庁経由でペンタゴンにハックしてお姉さまのファッションチェックを……」
「ゆーみーさーまっ! 一年前のネタを引っ張り出さないでください! 二番煎じなんてみっともないですわ!」
「ううっ、また瞳子ちゃんがグーで殴った……。デジャヴ?」
「あぁ、もう!いちいち泣かないでください!」
「……瞳子ちゃんが殴った」
「……それで、今日は何を盗むんですの? わたくし、そろそろ怪盗には飽きて来たんですけど」
「怪盗に飽きたの? じゃあ、シティーハンターでもしてみる?」
「なんでそうなるんですか! それにシティーハンターだったら、聖さまの方がお似合いでしょう!」
「じゃあ、志摩子さんは栞さまの心臓を移植されたんだね」
「はぁ!? あまりボケた事をおっしゃっていますと、またグーで殴って差し上げますわよ?」
「あっくそっくざーん、ってやつだね」
「だから、昔のネタを使うなーー!」
「痛っ! ちょ、ちょっと瞳子ちゃん本当に痛いから」
「はぁ、はぁ、まったく、祐巳さまときたら……」
「ねえねえ、瞳子ちゃん。そろそろ盗みに行こうよ」
「全部祐巳さまのせいではありませんか! それに何を盗みに行くんですの!」
「えっとね、場所は『柊の散歩道の館』っていう所で」
「……祐巳さま? わたくしの聞き間違えでしょうか?」
「瞳子ちゃん、怖いよ」
「では、ちゃんと申し上げてください。もう小ネタだけでかなりの行を使っていますわ」
「あ。ねえねえ、瞳子ちゃん瞳子ちゃん」
「……今度はなんですの?」
「瞳子ちゃんって、乃梨子ちゃんにはタメグチだよね。ということは、普通の話し方も出来るんだよね?」
「なんなんですの、いきなり……。まあ出来ますけど、何故ですか?」
「だってー、祐巳にはそんなところを見せてくれないんだもん(おめめうるるん)」
「うっ」
「乃梨子ちゃんの前では、『私、先生に気に障ることもしたかな?』って可愛い言い方して、それで乃梨子ちゃんが『弱気になるな!瞳子!!』って肩をがしっと掴んで」
「だーかーらー!! 一年前のネタを使うなって言っているでしょう! 祐巳さまの頭はスポンジですか? スポンジボブですか? なんで、そんなに無駄に長いボケをするんですか!」
「と、瞳子ちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい、もうしないから頭ぐりぐりするのやめて」
「……まったく、祐巳さまときたら。今度やったらミサイル落としますわよ」
「こ、怖いよ、瞳子ちゃん(主にドリルが)」
「何か言いました?」
「いえ、別になにも」
「で、今回は何を盗むんですの?」
「くまさんの十八番と、あと蔦子さんからで、『過去、道化辞典で紹介されていた謎の恐怖くま相方女史』をこのカメラに納めて来るっていう依頼なの」
「ゆ、祐巳さま。そんな事を簡単に吹聴してもよろしいのですか? 一年も経ったとはいえ、あの鬼相方さんが自分が不当な紹介を晒されていたと知ったら、くまどころかガチャSだって危ないですわ」
「目から冷凍光線が出るんだよね。マジ狩る☆フロスト!って」
「そ、それもネタだったんですかーー!?長いですし、古いですし、くっつき過ぎで元ネタが分からなくなっていますわよ!」
「ねえ、瞳子ちゃん、知ってた? 最初の返信は浦木さまっていう怪だったんだよ」
「だから! 元ネタが分かりませんわ!!」
「ふぅ、これで仕事が終わったね」
「はあ? 一体何を盗んだんですか? 最初に十八番を横盗りしただけで何も盗んでいませんわよ」
「ちゃんと盗んだよ」
「何を?」
「笑い」


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