「ビキニはいいよ〜。 人類が生み出した文化の極みだ。 アハハン」 バサーリ。
、、、きゅ〜〜。
「美しく鍛え上げたおヒップを、さらに持ち上げ強化する、強靭なヒモ。
必要以上に筋肉を隠さない、小さい布地が許す自由度。
引き締まったウェストを強調する、鋭角的なライン。
何より、人類の最も重要な部分を、必要にして充分に保護する前b」 ぶぎゅうる。
「優お兄さま、のっけからナニをほざいてらっしゃるんですかっ!」 祐巳専用保護機構付きドリルを、かつて無い速度で回転させながら、
瞳子は地獄の底から響くように唸った。
「なにって。 今度ユキチ達と海に行くから、これから水着を買いにいくんだろう?
そこで後輩思いの僕としては、是非ともビキニを購入してもらおうと、一肌脱いだんだよ。
どう、この姿を見て買いたくなったろう?」 頭から、かなり激しく血しぶきを飛ばしつつも、平然とさわやかに笑う 優お兄さま。
…もはや人では有りませんわね。 使徒?
「だからと言って、本当に脱がないで下さい! この暑苦しい日本の夏に真っ白い皮のコートを着る人が何所に居ますか!!
しかもなぜ、下には く、く、く、黒ヒモビキニしか履いていないのですかっ!!!」
「やだな、何を言っているんだい瞳子。 何も履かなかったら犯罪じゃないか。 いや僕としては、美しいこの肉体を鑑賞したいという人には、何物をも隠す必要は無いんだが、やっぱりこういう物は、ユキチと二人っきりのときにしっぽryt」 ひゅでぶわ。
ちゅいーーーん。 「抹殺完了ですわ。」 冷たい一瞥をくれると、かつて人であった物に背を向けた。
ああ、そんな事よりも。 ひと目見たた瞬間に気を失ってしまわれた愛しい祐巳さまを、
はやくはやく介抱しなくては。
「暑いねー。志摩子さん」
「そうね、もう夏だもの。 で、乃梨子はビキニにするの?」
「え。恥ずかしいよ。」 ぽぽ。
「でも、見てみたいわ。 きっと似合うと思うの。」
「志摩子さんが、そう言うんなら、挑戦してみようかな。」 ぽぽぽっ。
「って、そこの白の、ほけほけ和んでないで、手伝いなさい。 繊細な祐巳さまが、祐巳さまがああ。」
昼下がりの椿事であった、と、のちにリリアン瓦版 『夏はすぐそこ』 臨時増刊は伝えるのだった。
◆
「そうか、ビキニか。」 坊ちゃんがりのままでは似合わないから、ポマードでガッチリ固めるか? などとぶつぶつと算段を立て始める奴。
「やめとけ。命が惜しかったら。」 俺が止めねば。
「ああん。ビキニは難しいのよー。 でも、パレオとセットなら…」 どういうビキニを着るつもりなのか、内股でくねくねと身悶えを始める奴。
「頼むから、止めてくれ。 フォローの仕様が無い」 お、俺が止めねば。
「そもそも、ビキニしか持ってないんだが。」 どんなポージングを決めようか、とか考えているのか。 妙に筋肉をぴくぴくさせる奴。
「そもそも! お前を連れて行くつもりは毛頭無い。 みんな気絶しちまうだろうが。 あんな風に。」 俺に…、止められるのか? この連中を…。
すまない、姉よ。 俺は俺で、心労でぼろぼろだ。 不甲斐ない弟を許してくれ。 今出て行ったら確実に命が無いのが判っていて、その変態OBを回収する勇気は、、、。
「…あのバカは放って置いて、とにかくここは逃げるぞ。」
それにしても、まさか、瞳子ちゃんがあんなに怖いコだとは。
◆
ちなみに、連れ立って買い物に来ているはずの黄薔姉妹も、やはり最初の1行目でKnockOutされていた。
が、足元に転がったまま見向きもしてもらえないのは、やはり黄薔薇だからか。 (南無〜
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続いている訳でも何でも有りませんが!
【No:236】 『柏木優の兄弟設計』 でも優さんは大活躍です。
若しかしたら、いらっしゃるかも知れない 光るの君 ファンの皆さんにささげます。 貰ってください。 返品不可です!(笑