【1766】 全てはこの瞬間のため闘魂こめて全力でサポート  (春日かける@主宰 2006-08-08 23:07:23)


リリアン女王国シリーズ(?)【No:1759】の続きかも知れません。

「可南子さん」
「──瞳子さん」
早朝。白銀の鎧を着込んだ瞳子は、出撃準備中の可南子の元を訪れた。
「鎧を着れば、すっかり『御嬢騎士』ね」
「その呼び名は嫌いですわ」
「わかってて言っているのよ」
「……意地悪ですわね」
「ふふ。今夜のワインは、美味しそうね」
「美味しく飲めるように、努力しますわ」
朝日を全身に浴びて、二人は城壁に寄りかかる。

どちらからともなく、口にする。
「リリアンを守る」
「王女を守る」
「一人の兵も失わず」
「一人の民も失わず」
「我々は」
「勝利を手にする」
顔を見合わせて、二人は笑いあった。
「死ぬ時は一緒ですわよ」
「何言ってるのよ。死なないわよ」

馬に乗り、瞳子は戦場に赴く。前方を進むのは、可南子が率いる軍である。彼女達の騎馬突撃を援護するのが、魔法騎士の役目であった。
援軍は期待できない。本隊の攻撃が少しでも有利になる為、この隊が右舷から攻撃を仕掛ける。
「……祐巳さま」
女王・祥子の妹である、姫様。福沢祐巳の笑顔を思い浮かべる。
もう一度その笑顔を見る為、瞳子は戦う。『御嬢騎士』などという嬉しくもない通り名を着けられているが、『御嬢』でないところを見せてやる、と思っている。
「見えた!」
可南子の声が聞こえる。前方、はるか先。地平線を埋め尽くす、武装した男達の群れ。
進行方向は本隊だが、いくつかの塊がこちらにも向かってきていた。
「可南子さん……頑張って下さい!」
瞳子は剣を振りかざした。

迫る軍勢は、自分の部隊よりも圧倒的に多い。本隊よりも多いのは確実だ。それを、少しでも削っておくのが、任務である。
──たとえ、自分と刺し違えてでも。
「リリアン女王国、山百合騎士団勇者剣撃隊長、細川可南子!」
「リリアン女王国、山百合騎士団魔法騎士隊長、松平瞳子!」

「「参る!!!!」」

◆続くかもです……。
【No:1759】のお返事です。
YHKHさん>諦めちゃったんですか。諦メタラ、ソコデ試合終了デース(ザビー
アレシアさん>FSSいいですねぇ。後で読ませていただきます。


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