…一本だけの桜…
…この木を見ると…この花を見ると…
…私の過去を思い出す…
…でもそれは辛いことではない…
…この桜は、私に未来を・世界を・そして、希望と出会いを与えてくれた…
高等部に進学して始めてこの桜を見たとき…迷っていた。
自分の想いと、私が信じる・けれど異端に思えるこの居場所に。
私のマリア様への心に嘘偽りはない。けれど、自分を偽っている事を隠していた。
中途半端な私。
でも、この桜はそんな私を守ってくれた。助けてくれた。
それは、私のお姉さまとなるべき人との出会いをくれた。
私に姉ができるなんて考えもしていなかった自分に、迷っていた私に、
一歩を踏み出す勇気を与えてくれた。
『佐藤聖』
私を本当の意味で受け入れてくれた人だった。
1年後…また私はひとりぼっちになった。
私は成長していなかったのかもしれない…お姉さまに・そして桜に甘えていたのかもしれない。
お姉さまが学園からいなくなっただけで…心に穴が開いてしまった。
でも、この桜は…そんな私をまた助けてくれた。
姉とは無縁だろうと考えていた時に、同時に妹にも無縁だろうと考えていた。
そんな私を…この桜は1人の下級生と出合わせてくれた。
『二条乃梨子』
お寺の娘である私・仏像が好きな彼女。
マリア様が見守る場所で、こんな出会いがあることなど想像も出来なかった。
そして彼女も、私を本当の意味で受け入れてくれた人だった。
私は、学園内で孤独だと思っていた。
そんな私を、この桜は励ますように…見守っていてくれた。
そんな私に、姉と妹の出会いを与えてくれた。
この桜は、私にとってはマリア様の化身…
そんな私も高等部を卒業して…余り来ることも無くなったこの桜の下。
けれど…今は…今だけは…
「志摩子〜」
「志摩子さ〜ん」
私を支えてくれた・助けてくれた人たちと一緒に…いてもいいですか?
初めて・でも1年だけ…
同じ学部に通えるようになった報告を…させてくださいね。
………そして………
……もう少しだけ、甘えさせてもらっていいですか?
…桜さん…
…マリア様…
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シリアスは苦手だぁ…小ネタしか書けない…
1つ前のお話(というか小ネタ)は、一身上の都合(場違いすぎるの)で、削除いたしました。
掲示板を汚してしまい本当に申し訳ありません。m(_ _)m