【1898】 ロケット・ガール  (荒らしでゴー面 2006-10-05 12:45:55)


ショートストーリーのつもり。

*タイトルなんかねー*
 音がする、とってもいやな音だ、この音を聞くととっても吐き気がする。
ウゥウウウ〜♪
空襲警報だ、そらは真っ暗で天地がゴォオオとうなって震えている。
俺はその音を聞くたびに吐き気がし、体がかってに縮こまり震えだす。
そんな俺をよそに、周りのろくでもない人間達が逃げ惑う姿を見た、どーせ逃げ切れるわけがないのに。
俺はそいつらを見ながら笑った。
俺はこんなにも足腰が震えてここから一歩も動けないとゆーのに…。
 俺はこのまま死ぬのだろうか?まーそれもいいかな、こんな糞みたいな世の中で生きて行ってもしょーもないだけだ。
すると真っ暗な空の中で灰色の巨大な鳥が見えた、それはおぞましいぐらいにゴォオオとうなり声をあげ我が物顔で空を飛んでいた。
その時俺は自分がろくでもねー人間であることを思い知らされた。
 死ぬのは嫌だ、こんなくだらねーとこで、こんなに惨めな死に方なんかしたかねー!死にたくねー、あぁ逃げなきゃ!今すぐここから逃げなきゃ!!
そー、これは恐怖だ、俺は今になって恐怖が込みあがってきたのだ。
すると空にいる鳥たちがなにやら腹から卵を落としている、次の瞬間周りは”カッ!”と光を放ち、一気に炎の海とかした。
 あぁ、これで俺は本当に死ぬのだと…体の震えが治まった、いまさら治まってもしかたないのに。
どこからか音が聞こえた、ドルルルと、これは車の音だ。
 おおい…おおおおおおい!!!
俺は自然と立ち上がり、今までに出したこともない大きな声を出した。
そして車が目の前で止まった、俺はその車に駆け寄って言った。
 助けてくれ!俺をその車に乗せてくれ!!
必死になってその車の窓の近くで叫んだ、すると車の窓が開き、ごつい男顔が見えた。
 勝手に後ろに乗りな。
そーいっただけで車の窓を閉めた、俺は急いで車の後部座席に座った。
 ありがとう、おじさん、助かったよ。
そーいった俺に向かっておじさんが何か言った、ちょーど近くに鳥どもの卵が落ちてその音でおじさんが何て言ったのか聞こえなかった、ただバックミラー越しに口元が見えていて、言った後にニヤけていたように見えた…。


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